[ 信大物理同窓会報0042号(2013年春号) ]
2013年3月17日配信



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          ┃信┃┃州┃┃大┃┃学┃┃物┃┃理┃┃同┃┃窓┃┃会┃┃報┃    
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│田田田田田|          │★ SUPAA MAILMAGAZINE BULLETIN 2013年春号 │ 
│田田田田田|            ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│田田田田田|──┐■━━■編集・発行/信大物理同窓会事務局■━━■
│田田田田田|田田|             (http://www.supaa.com/) 
│田田田田田|田田|〒390-8621松本市旭3-1-1 信州大学理学部物理教室内
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 ■「旧文理学部物理学科」+「理学部物理科学科」OB&学生と教員の会■
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  ○-- 今年の入学式の日こと、物理新入生に当会説明の --○    ∩ 
  ○-- 折「信大物理が第一志望」だった人に挙手を求め --○  ⊂○⊃
  ○-- たところ、手が挙がったのはたったの4〜5人。 --○    ∪
  ○-- 予想したとはいえ、ショックでした。こうした現 --○   ∞l∞
  ○-- 状を踏まえ、有為なる人材として排出し、学科の --○   ∞l∞
  ○-- ブランド価値を高める方策とは何か。教職員の皆 --○   ∞l∞
  ○-- さんは大変です。我々OBOGも一緒に考え、応援し --○   ∞l∞
  ○-- ていくべきでは。同窓会の存在は重いようです。 --○   ∞l∞
 
      【 I ・ N ・ D ・ E ・ X 】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇ 第16回信州大学物理会総会へのお誘い・・第16回信州大学物理会総会 幹事
◇ 第16回信州大学物理会総会:記念講演講師からのメッセージ・・中村 光廣  
◇ 学科長を終えて---新カリキュラムの実施などを振り返る・・・・ 小竹 悟
◇【追想録】根源的なる探求の旅  連載第5最終回 ・・・・・・・丹羽 公雄
◇ 研究を続ける =連載第2回= ・・・・・・・・・・・・・・・武田 三男
◇ 『信州大学校友会』設立の動きをお伝えします・ 物理同窓会報編集委員会
◇ スズキ・メソード世界大会(「松本平タウン情報」より転載)・宮地 良彦
◇ 袖山隼雄さん(文理16)を悼む・・・・・・・・・・・・・・・・三澤 進
◇ 袖山隼雄さんの訃報に接し、心、切なく悼みます。・・・・・・・勝木 渥
◇ 西丸震哉先生を偲ぶ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 杉原 保幸
◇ 2013年春 卒業生・修了生の進路状況・・・・・・・・・・加藤 千尋
◇ 2013年度 信州大学理学部物理科学科入試状況・・・・・・・志水 久
◇ ┃卒┃業┃論┃文┃┃修┃士┃論┃文┃┃の┃┃テ┃ー┃マ┃
◇ [TOPICS] ・物理科学科卒業生表彰者に当会から副賞 ほか
◇ ▼△ウィーン便り(14)△▼ ウィーンでの「受難曲」演奏会・ 大塚 直彦
◇ 新たに・改めて“同窓会員登録”された面々!!
◇ <再録>「同窓会費」は終身会費として1万円『会計細則』決まる!
◇ 編集後記

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┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓
┃第┃16┃回┃信┃州┃大┃学┃物┃理┃会┃総┃会┃へ┃の┃お┃誘┃い┃
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 拝 啓 

 陽春の候、皆様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。 

 さて、第16回物理会総会の開催につきまして、ご案内申し上げます。 

 会場は松本の理学部教室をお借りして、5月25日(土)に開催します。今総会
では、記念講演会と年次総会、懇親会を行います。記念講演会は、中村光廣氏
(理学11S・名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構 准教授)にお話しいただき、
さらに本学の先生方3名に加わっていただきパネル討論を開きます。これは、
学生、中高の理科の先生、そして一般市民などにも無料開放して聴いていただ
きます。 

 何かとご多忙な折柄ではございますが、今回も多数の同窓会員の皆様にぜひ
ともご参集いただきまして、旧交を温めていただきたくご案内申し上げます。  

 敬 具                        2013年4月吉日 


  追伸:同窓会員の皆様には、ご欠席の場合1,000円のカンパをお願いいた
  します。郵送案内に郵便振替用紙を同封させていただきましたので、何卒
  ご協力をお願い申し上げます。現役の先生方全員に懇親会ご招待するなど、
  総会運営全般の費用として活用させていただきます。

  追伸:厳しい就職状況が続くなか、当同窓会では学生の就職支援活動(先
  輩によるセミナー開催など)を行っています。そこで、困っている後輩の
  現役学生などの相談にのっていただきアドバイスしていただきたく、会員
  名簿の「職業欄」の充実を図ることになりました。総会出欠のご回答のさ
  いに、職業欄にもご記載いただいきたくお願い申し上げます。 

                           記

(1)開催日: 2013年5月25日(土)午後2:00〜6:00
       ○記念講演会&パネル討論会 午後2:00〜3:40
       ○年次総会 午後3:50〜4:20
       ○記念撮影 午後4:25〜4:30
       ○懇親会  午後4:40〜6:00 
(2)会  場: 信州大学理学部講義棟 第1講義室
       懇親会会場:理学部A棟 多目的ホール 

(3)講演会:中村光廣氏(理学11S 素粒子論研究室)
(4)参加費:7000円 但し学生・院生は1000円

 ○WEBからのお申し込みページ→( http://www.supaa.com/meet16.html )

 =第16回信州大学物理会総会 幹事= 
 ■三澤進(文理16) ■高藤 惇 (2S) ■臼杵英男(8S) ■上條弘明(9S) 
 ■小松徹夫(16S) ■志水久(91SA) ■宮本樹(02S) ■市瀬 和也(08S・M1) 
 ■高橋 栄也(08S・M1)  
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 ●記念講演会演題:「顕微鏡できく素粒子のつぶやき」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  講師:中村 光廣氏(理学11S・名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構・現象
                      解析研究センター准教授)  
  □ 講師略歴: 
  1980年 信州大学理学部卒業、同年 名古屋大学大学院理学研究科入学 
  1985年 名古屋大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学 
  1988年 理学博士 
  1989年 名古屋大学理学部助手、その後 同 助教授をへて 2010年より 
      名古屋大学・素粒子宇宙起源研究機構・現象解析研究センター 
      准教授 
  □ 現在の研究課題:ニュートリノ、暗黒物質の研究、放射線検出技術の
                    応用研究
 __________________________________
  ◆記念講演講師 中村光廣 氏 からのメッセージ
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 こんな山奥に人間の住むところがあるのだろうか? 少し心細い思いをしな
がら中央西線で大学受験に来たときのこと。もう37年も前のことです。松本平
に出たときに目前にひらけた光満ちる空間と、壁のように遠くまで続く北アル
プスの姿を今でも鮮明に思い出せます。
  4年間松本で学ばせていただいた後、名古屋に移り、原子核乾板という素粒
子の通過跡を捕える装置を用いた素粒子宇宙の研究を今日まで続けさせていた
だいています。素粒子の実験研究のみならず最近の科学研究は大規模研究であ
り、多くの人間が協同で行うものとなっています。
  最先端の研究は誰もやったことのないことの連続であり、次々問題がでてく
る問題を、多様な考え・技量をもつ人間の共同作業で解決してゆく訳ですが、
そのような研究の先端の様子を少しでもお伝えできればと思っています。 

  ●パネル討論会:「宇宙の始まりと物質の起源」 
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ◎パネリスト:中村光廣 氏(上記講演者) 
  ◎パネリスト・司会:竹下徹 先生(信州大学理学部物理科学科 高エネル 
                                     ギー研究室教授)
  ◎パネリスト:川村嘉春 先生(同 素粒子理論研究室教授) 
  ◎パネリスト:長谷川庸司 先生(同 高エネルギー研究室准教授) 
 …………………………………………………………………………………………
 ■主催:信州大学物理同窓会 ■共催:信州大学理学部 
 ■後援:長野県教育委員会 松本市教育委員会 信濃毎日新聞 中日新聞社 
         市民タイムス 松本平タウン情報 テレビ松本ケーブルビジョン 
 
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  ■ 学科長を終えて---新カリキュラムの実施などを振り返る ■    
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   小竹 悟 (理学部物理科学科素粒子理論研究室 教授 前学科長) 
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 皆様に助けて頂きながら学科長を務め終える事が     ~^l~l^l~^l
出来ましたが、感想等を少し書かせて頂きます。     \人人人ノ
                            |||| /
 平成24年度の物理科学科の一番の大きな出来事は、  \l |||/          
少なくとも私にとっては、新カリキュラムの実施で   ┌───┐ 
した。これまでのカリキュラムでは、多様化する学
生への対応、卒業時に相応しい学力の確保、等が難しくなってきたと感じ、自
ら手を動かして勉強する事に力点を置いた新カリキュラムを作成しました。

 その大きな柱は必修化した演習科目です。授業で説明した後にこんな問題を
やってみたらと述べて放っておくのではなく、演習科目の授業で宿題として出
し、自ら手を動かして解いて提出させる、という形式を通して否応無しに(最
低限の)勉強をさせるというもので、これにより勉強の習慣が身に付き、その
後は自然に学力が向上していく、という狙いです。

 私が担当している授業で言うと、「物理数学I」が必修化されました。これ
までも宿題は出してあったのですが、全員に提出を求めるものではなく、やり
たい人がやるという感じでした。今回はこの点を改め、宿題の問題を見直し小
分けにして提出し易くし、全員に提出を求めました。

 期末試験では満点及び満点に近い人が5名いました。これは近年では特に優
秀な学年と言われた07Sを上回る出来であり、宿題を課す事で(それをちゃん
とやった人には)学力が着実に付いたと思われ、今回の変更が成功した一面で
す。

 しかしながら、今回の変更が成果を上げられなかった学生が相当数いました。
勉強時間と学力向上の間には勿論正の相関がありますが、その関係は比例
(y=x)ではなく y=x^2 とでもいった感じの振舞いであり、ある所を過ぎると
急速に伸びていきます。逆に言うと、そこまで行かないと伸び悩んだままです。
今回の期末試験ではその伸び悩んだままの学生が相当数おり、成績判定では残
念な結果になってしまいました。

 その様な学生は提出が求められた宿題を提出しておらず、演習授業において
も同様です。これは我々にとって驚きであり、大きな誤算でした。宿題は試験
と異なり、時間はたっぷりあるし、教科書や参考書を調べてもよいし、友人・
先輩・先生に聞いて教えてもらう事も出来ます。サイエンスラウンジという質
問コーナーも用意しています。

 提出出来ないという事は有り得ないと教員側は思ってきて、提出が求められ
た宿題は全員が提出するという前提の下で更にどう教育するかを考えてきまし
た。ところが実際にやってみるとそうではなかった訳です。

 この学生の振舞いを考慮して、2年目となる平成25年度では、私の授業では
宿題の提出方法を変えるつもりでいますし、演習授業では、特に1年生に対し
て、TAを多く利用して少人数に目の届く指導を行い、学期末になってからでは
なく毎週毎週の学生の理解を確実にする指導を行う予定でいます。今回不本意
な成績を取ってしまった人も気持ちを新たにして新学期に臨んでもらいたいと
思います。

 まだ公開出来る程には議論が進んでいませんが、理学部では学科改組の議論
が進められています。これは、教員削減と教職課程認定に端を発するものです。
どの様な形になるにせよ、入学した学生がしっかり学べる学部・学科となる様
にしたいと思います。

 最後になりましたが、同窓会には就職支援セミナー等で御世話になっており、
改めて御礼申し上げます。平成25年度もまた宜しくお願い致します。

 ※ 今年度の物理科学科長には樋口雅彦教授が就任されました。(編集部註)

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  【追想録】 ┃根┃源┃的┃な┃る┃探┃求┃の┃旅┃ 連載第5最終回 
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         ■ OPERAは18年かかったが若い力で進んだ ■
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         丹羽 公雄(文理17/元名古屋大学大学院理学研究科教授)
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【 信大文理学部から名大大学院に進学。原子核乾板飛跡自動読取装置を開発
し、世界で初めてダブルハイパー核の検出に成功した後、タウニュートリノ
反応の検出にも成功する。この発見により2004年の第50回仁
科記念賞を受賞。その後ダークマターの解明にも取り組む。       ☆ ☆
2010年3月名大退職。最終講義演題は「原子核乾板と共に格闘    /☆/
して学んだこと」でした。一昨年(2011年)マスコミをにぎわせ   ///☆
た「超光速ニュートリノ」騒動のなかでは、共同研究者として  ///
論文発表に名を連ねることを断った一人。今回は最終回。OPE
RA計画に参加しての経緯と成果(ことし3月27日の広島で開かれた日本物理学
会での発表)。さらには物理学発展の歴史に触れ、現状の研究態勢への危惧な
ど、感想を述べておられます。体調が完全でないなか、長期5回にわたるご寄
稿には感謝にたえません。益々のご活躍とご健勝をお祈りします。】        
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     ▼▲ CERNで承認されたOPERA計画の概要 ▼▲

 CERN(欧州原子核研究機構)で2000年に承認されたOPERA(the 
Oscillation Project with Emulsion-tRacking Apparatus、写真乳剤飛跡検出
装置によるニュートリノ振動検証プロジェクト)は、ニュートリノ照射が目前
にせまった2007年、CERNでニュートリノ生成装置のテストが始まった。

 スイスのCERNのニュートリノ発生装置は陽子加速器SPS(Super Proton 
Synchrotron)で運動エネルギーを質量エネルギーの400倍にまで一度に2×10
の13乗個を5秒で加速し、その陽子集団をニュートリノ変換器に打ち込む。専
門用語でビームダンプとラッパ状の磁石(horn magnet)、長さ1kmの真空パ
イプでニュートリノを作る。イタリアのローマ郊外のラキュラ目指してヨーロ
ッパアルプスの岩板を貫通し、730km飛行した後、グランサッソ研究所の地下
の実験ホールを貫通していく。

 そのニュートリノ集団は直径1kmほどの広がりをもち地下ホールに設置した
OPERA検出器に 一度に10の12乗個程度のニュートリノ集団として降り注
がれる。15秒に1回の割合で繰り返され、その毎に1個程度が検出器にひっか
かる。毎年5月から10月末まで昼夜を問わず運転するが、加速器のトラブル、
定期メンテで休み、年間150日程度が有効である。

 CERNで発射するニュートリノはミューニュートリノだ。このニュートリ
ノの中のミューニュートリノから振動して出現するであろうタウニュートリノ
を検出するOPERA検出器はECCブリック(57枚の写真フイルムを積層し、
ほぼ1リットルのサイズで重さ8.3kg)検出器15万個(合計1.25キロトン)か
らなる。

 ニュートリノ反応を捉えたECCブリックを特定し、ECCブリックを解体して写
真フイルムを現像する。1日当り50個程、現像を終わったフイルムの半分を名
古屋大学に空輸し、半分はイタリア5大学、スイスのベルン大学等で解析する。

 10cm×10cmの写真フィルムの中から、ニュートリノ反応で作られる2〜3本
の飛跡を探索する。探索時間は2〜3時間、読み出す飛跡は1億本を超える。
殆どは低いエネルギーの自然放射能の電子(β線と呼ぶ)の飛跡とエネルギー
の高い宇宙線の飛跡である。β線や宇宙線の飛跡を除いた飛跡をECCの57枚の
フイルムを解析してニュートリノ反応点を探索する。

 複数の飛跡が収束するニュートリノ反応点を得たら、直ちにその事象がミュ
ーニュートリノの反応か? タウニュートリノの反応か?、すなわちタウ粒子
である否かを判定する。タウ粒子は1mm程度の飛程で崩壊するから明快である。

      ▼▲ ニュートリノ反応の探索は困難を極めた ▼▲

 2007年12月にニュートリノ照射のテストを完了して2008年5月からニュート
リノ照射(5月〜10月末まで、冬は電力代が高く休止)を始めた。その時点で
のOPERAに組み込んだECCブリックは数万個、2009年7月末でECCブリック
の組み込み、ニュートリノ照射、フィルムの解析を同時進行した。

 ECCブリック内でのニュートリノ反応の探索は困難を極めた。十分な準備、
リハーサルをしてきたのだがニュートリノ反応点が顕微鏡の視野の下に検出し
た第1号の事象を研究室会議で祝えたのは2008年末、その後も解析の速度はな
かなか上がらなかった。

 どんどん未解析のフイルムが研究室に溜まった。フイルムの飛跡の自動探索
装置の調整改良が進み、ニュートリノ反応点が順調に見つかるようになった20
10年、解析できた事象が1000例を超えたころ、ナポリ大学で見つかった事象の
中からタウ粒子と思われる事象が見つかった。

 タウ粒子の寿命は10−12秒程度で18%が電子、18%がミュー粒子を伴って崩
壊し、残りはハドロンと呼ぶ粒子に崩壊する。ハドロンに崩壊する事象はタウ
粒子以外でもある。タウ粒子の決め手の質量も2GeV相当でなければならない。
ナポリ大学で見つかった事象の寿命も質量もタウ粒子相当であった。

 崩壊してできた子供の粒子はハドロンでタウ粒子以外の可能性が10%程度は
残った。この1例の事象で「ニュートリノ振動で出現したタウニュートリノを
捉えた」とは断定できない。2011年も5月からのニュートリノ照射が続きイタ
リア5大学、スイス・ベルン大学、名古屋大学での解析は順調につづいた。

 グランサッソでのECCブルック取り出しと解体作業、暗室での現像作業、ヨ
ーロッパ、日本でのフィルムの飛跡の解析作業は忙しい。大学院生を含め100
名程でシフトを組んで進める作業である。日本は神戸大学、愛知教育大、東邦
大学、宇都宮大学のスタッフ、院生も定期的に分担した。

      ▼▲ 待ち望んだ事象検出に研究室は沸き立つ! ▼▲

 通算、3000例目にタウニュートリノ事象と思われるニュートリノ反応事象が
名古屋大学で解析した事象の中から得られた。この事象は、前年度にナポリで
得られた事象とよく似た事象であった。ニュートリノ振動を示す有力事象だ。
前年のナポリ大学で見つかった事象と合わせて2例目だ。

 この2例が共にタウ粒子以外である可能性は極めて低い、99%以上の確率で
タウニュートリノ事象を得たと思ったが、まだニュートリノ振動事象の直接検
出と断定できない。

 2012年も解析もニュートリノ照射もつづいた。通算5000個を超えた秋になっ
て、名古屋大学でタウニュートリノと断定できる事象が出た。”タウ粒子の崩
壊”と即断できる事象である。その事象はニュートリノ反応から出る2本の飛
跡が確認でき、そのうちの1本がミュー粒子と2個のニュートリノ(タウニュ
ートリノとミューニュートリノ)に崩壊していると判断できた。

 崩壊までの数百ミクロンはタウ粒子の寿命に対応する。質量の測定もできて
タウ粒子と断定できた。他の1本の飛跡はハドロン(強い相互作用をして消滅
した)であった。この事象はタウニュートリノ反応以外の解釈が殆ど不可能な
事象と断定できたからである。待ち望んだ事象を検出して研究室は沸き立った。

 直ぐにヨーロッパの仲間達に見つかった事象の詳細を伝えOPERAグルー
プ全体で検討。2013年3月16日に名古屋大学でOPERAメンバーが集合して、
公表方針を確認して、3月27日の広島で開かれた日本物理学会で発表した。

      ▼▲ OPERAのシナリオを描いた者として… ▼▲

 1995年に「出現するタウニュートリノを直接捉えて、ニュートリノ振動の存
在を検証し、ニュートリノが質量を持つことを確認する」目標を掲げて出発し
たOPERAは18年かかって目的を達成した。この18年間に、日本のSK(Super 
kamiokande)、カナダのSNOW、日本のKamlandはいずれも「ニュートリノ質量の
有る・無し。すなわちニュートリノ振動の存在」を「消滅するニュートリノ」
を観測して検証した。今やニュートリノ振動は研究課題として決着済みとの認
識になっている。

 基礎科学研究は堅実でなければならない。ニュートリノに関する国際会議は
隔年で開かれている。日本では1998年に高山で開かれ、その時はスーパーカミ
オカンデがスポットライトを浴びた。昨年14年ぶりに京都で開かれ「光速より
速いニュートリノの取り下げ」の発表の場となった。OPERAの結果がラポ
ーターによって報告される国際会議は2014年だ。

 以下はOPERAのシナリオを書いた者としてのエピソードと感想である。

 自分(丹羽)はOPERAの解析と分析には殆ど貢献できていない。4年前
に脳梗塞を発症して以後、イタリアで開かれることの多いOPERAの定期会
議に全く出席できなくなり、名古屋大学で進めた解析にも欠席している。1年
後に名大を定年退職。その3ヶ月後の7月に脳出血で倒れた。最近4年間、自
分はOPERAの解析の現場からは離れてきたが、若い力が見事にがんばってきた。 

 特に「光より速いニュートリノ」騒動のダメージにもめげず、頑張り抜いて
解析を続けたことで、持ち望んだタウニュートリ事象を得た。仲間のメンバー
に「よくやった」と言っている。OPERAのニュートリノ照射は終わったが
解析は2015年いっぱい続く。更に2〜3例のタウニュートリノ事象を得てOP
ERAは完了する。OPERAに関わった研究者は100人ほど。3割が日本人。
名古屋大学での学位取得者は4人の取得予定を含めて9人。ヨーロッパを含め
ると20人程になろう。OPERAは18年かかって若い力で進んだ。

      ▼▲ 未知の世界に挑む基礎物理学のありよう ▼▲

 物理学の歴史を振り返ってみよう。ガリレオが踏み込んだ力学の世界はニュ
ートンで基本的に終わり、原子の階層はフランス革命時代に踏み込み、1925年
のシュレディンガー方程式で解明は完了した。1910年代から核・素粒子の世界
の解明が始まり、電弱相互作用と量子色力学に従うクォークレプトンからなる
とする「素粒子標準理論」と呼ばれる認識に幾多の誤りの末に到達し、12種
(反粒子を含めて24種)のクォーク・レプトン全てが確認され、その質量の計
測も大雑把ではあるが終わった。

 階層構造を持つ自然の根本原理の一段階の解明であり、既に次の階層の解明
が始まっている。

 我らの属する銀河系は星雲を引きつける重力源が判らない。既存の万有引力
で説明できない。その原因を物質に求めてダークマターと呼ぶが「素粒子標準
理論」では説明できない。さらに遠い銀河の遠ざかるスピードの観測から、星
雲を遠ざける力が全くわからない。ダークエネルギーと呼んでいる。

 本年4月に国際宇宙ステーションの陽電子観測器は「ダークマターの可能性
を示す観測結果を得た」と発表した。イタリアのDAMA検出器はダークマター候
補と考えるWIMPを得たとも思える観測結果を得ている。しかし両者のデーター
を信じない研究者も多い。ダークエネルギーにいたってはその正体は全く不明。
果たして物質かどうか不明である。 

 未知の世界に挑む基礎物理は多くの実験による検証を受けなければ学説とは
ならない。理論であれ、実験結果でその正誤の決着に10年程度の年月はかかる。
焦ることはない。功名を求めて焦ると「光より速いニュートリノ」というよう
な誤りがおこる。

 研究の目的、学術のロマンを純粋に求める空気と正反対の空気、政府から金
が取れるテーマ、あたかも鼻先に人参をぶら下げるような風潮がはびこる今日
の大学のありようを危惧する。ロマンに満ちた基礎物理学に地道に自分の頭で
考え挑む若い研究者が育つだろうかと?
                               【 完 】
 
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  ■ 研究を続ける  ■                   =第2回=  
----------------------------------------------------------------------
  武田 三男(理学4S/素粒子論研究室・理学部長 副学長 安曇野市在住)
----------------------------------------------------------------------
┏━━━━━━━━━……−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
┃ アメリカでの研究所訪問、RPI、MIT、BNLを尋ねたときのこと
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 大学の運営・管理の仕事から解放されたら、一教員と    ┏━━┓
して研究生活に復帰したいというつもりで雑文を書き始  ┏━┃田田┣━┓
めましたが、1996年の在外研究での思い出話になってし  ┃田┃田田┃田┃
まいました。少しの間ご辛抱下さい。今回はトロイから  ┃田┃田田┃田┃ 
プラハまでです。                   ┃田┃田∩┃田┃
                  ※

 ランセラー工科大学(レンセラーとも言う、Rensselaer Polytechnic Insti
tute:RPI)はマンハッタンから真北にハドソン川を遡ったニューヨーク州の
州都オールバニ(Albany)からさらに少し北に位置するトロイ(Troy)市にあり
ます。マンハッタンからオールバニまでは鉄道(Amtrak)を利用しました。セ
ントラルステーションから乗車しましたが、ご他聞に漏れず、日本の列車とは
違い時刻表通りには運行されません。

 車社会のUSAでは列車を利用する人も少ないと見えて1車両あたり数名の乗
客で、のんびりと車窓からハドソン川の雪景色を楽しみながらオールバニに1
時間遅れで到着しました。川辺の柳の枝先が薄い黄色に染まり、大変きれいだ
ったことが印象に残っています。

 オールバニからRPIまではタクシーに乗りました。外国でタクシーを利用す
るときは緊張しますが、割と気さくなドライバーで無事RPIに到着しました。
ちなみに、USAの州都はその州で2番目に大きな都市が多いようです。ニュー
ヨーク州では当然ニューヨーク市が一番大きい都市ですが州都ではありません。
おそらく危機管理上の問題と思います。

 北隣のトロイ市は人口5万人のこじんまりとした町です。市名は木馬で有名
なギリシア神話に出てくるイリオス(トロイ)から取ったとされています。こ
の地域は、もともとオランダ商人のヴァン・レンセリアの土地であったことか
ら、レンセリア郡に所属しています。

 RPIは1824年にスティーブン・ヴァン・レンセリア (Stephen Van Rennse
laer III) およびエーモス・イートン (Amos Eaton)によって設立されたアメ
リカでは最も古い技術系大学です。アイビーリーグ様式の赤レンガを基調とし
た建物と全体に落着いた佇まいのキャンパスが印象的です。

                  ※

 ホストのジョセフ・ハウス(Haus)教授にはこのときが初対面でしたので、
かなり緊張して研究室に向かいましたが、大変気さくな方で心配も杞憂に終わ
りました。大学レストランでの昼食はもちろんのこと、週末には近郊の名所を
案内してもらいました。トロイの西隣のスケネクタディ(Schenectady)のGE
(エジソンか?)がUSAで最初に作った水力発電所も見学しました。

 また、ハウス教授の先祖はオランダ出身で、到着してすぐの日曜日にオラン
ダ移民の子孫が集まる親睦パーティがあり、なぜか小生もハウスご夫妻と一緒
に参加することになりました。和気藹々のパーティで、ご高齢の方の中にはオ
ランダの民族衣装とおぼしき伝統的な装いの参加者もいました。

 また、ご自宅では奥様の手料理をいただきました。奥様はアイルランド出身
で、本場のコンビーフ料理に招待したいということで、期待して風呂敷をお土
産にご自宅に伺いました。(風呂敷は軽くて量がとらず、色彩がきれいなもの
からシックなものまで多彩で喜ばれます。奥様には風呂敷、お子様には色紙が
旅先でのお土産にはお薦めです。)

 ところで、日本ではコンビーフというと、あの四角錐を途中でカットした横
から見ると台形状の缶詰をすぐ思い浮べます。中身は牛肉のほぐしたものを再
度固めたものが一般的です。ところが、ハウス家で出された本場(アイルラン
ド)のコンビーフは塩漬けの牛肉の固まりです。これを塩抜きし、ステーキの
様にフライパンで焼いたものです。

 出されたときはかなり戸惑いましたが、ホースラディシュを付け合せに、ナ
イフとホークでいただきますと割と美味です。ハウスは日本通で家の食卓には
常時醤油が用意されていて、醤油で頂くのが一番おいしいと感想でした。(ホ
ースラディシュ:西洋ワサビのこと。近い種類のものにわさび大根があります。
カブのような球形のものとは別種です。最近北海道の名産品で「蝦夷山わさび」
として販売しているものが一番近い。穂高ではひところ本わさびの換わりにい
わゆるわさび大根として休耕田で栽培していました。今でもあぜ道にその当時
の名残の株を良く見かけます。)

 あっという間にRPIでの3週間が過ぎ、フォトニック結晶の共同研究の方針
と偶然得たテラヘルツ時間領域分光の情報を土産に、長距離バスでボストンの
MITに向かいました。

                  ※

 MITではハウス教授に紹介していただいたJ.D. Joannopoulos教授と今後のフ
ォトニック結晶研究についての情報交換をしました。研究室の若手(ほとんど
がポスドク:PD)とも少し話をしましたが、教授室に比べPDの居室が狭いのに
は驚きました。MITの隣がこれまた有名なハーバード大学です。

 ホテルはハーバード大学に近いところにとりましたので、翌日はハーバード
大学のキャンパスを散策しました。ケネディが所属していたというレガッタの
ボートハウスや赤煉瓦のアイビーリーグの建物はMITの白一色の近代的ビルと
対照的でした。ここでもキャンパスの芝生にはリスがたくさん走り回っていま
した。また、対岸に見える旧市街の古い歴史を感じさせる建物とその背景にそ
びえる新市街の高層ビル群の対照的な眺めは見応えがありました。ボストンは
大変美しい都市です。松坂投手がレッドソックスを離れたがらないのは頷けま
す。

 ボストンから通勤電車で一旦マンハッタンに戻り、再び鉄道でロングアイラ
ンド中部にあるブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory
:BNL)に向かいました。ここは、固体物理や結晶工学で不可欠な中性子散乱
実験のための原子炉があります(現在は、放射線漏れ事故のため20年以上休止
中)。この分野で先駆的な研究をされ、その当時も第一人者であった白根元先
生を訪ねました。白根先生は東工大時代に私の恩師高木豊先生(大学院の主指
導教官)の研究室で強誘電体の共同研究をされた後渡米し、BNLで中性子散乱
のご研究に半生を捧げられた偉大な先達です。1960年代からお亡くなりになる
までの40年余り、日本からの若い研究者やその卵をBNLに招き面倒をみられた
ことも有名です。現在、日本の中性子回折分野の第一線で活躍中の研究者の多
くが白根先生のご指導を仰いでいます。

 当時はBNLの原子炉も稼働中でしたが、そのときは主に粒子加速器施設(SOR)
を見学させていただきました。荷電粒子が加速度運動しますとそこから電磁波
が発生します。電子が通る管の外側に磁石を配置して、磁場に周期的な空間分
布を持たすと荷電粒子の軌道は磁場分布の変化に追随して変調され、新たな加
速度が生じます。磁場分布を変えることにより、エネルギーの高いガンマ線か
ら低いマイクロ波まで自由に選ぶ事が可能です。

 日本でも兵庫のSpring-8や岡崎のSORで発生させた電磁波を固体物性の研究
に利用した試みが始まっていました。もちろん、THz電磁波も作り出すことが
できますので、私としては強誘電体のソフトモードスペクトロスコピーの候補
として考えていたわけです。

 分光装置や検出器の種類や性能を詳しく確認しました。検出器はボロメータ
ーという液体ヘリウムで冷やした半導体素子に電磁波が照射されると温度が変
わりそのため抵抗が微妙に変化します。その変化から照射された電磁波の強度
を測るというもので信州大学の研究室でも同じものを使っていました。

 施設見学のあと、白根先生、当時白根先生の研究室にいたシャピロ博士(S.
M. Shapiro)と日本からのPDの3人とともに海岸に近いレストランでディナー
をいただきました。帰る途中、暗闇にそびえる巨大な建造物群の横を通りかか
りました。照明がほとんどなく、まさに幽霊屋敷と言った感じで、白根先生に
お尋ねしたところ、原子力発電所の建設跡とのことでした。建設工事が80%近
く進んでいたところで、住民の反対訴訟で住民側が勝訴し、建設不許可処分が
決定された結果、そのまま建設跡が残っているとのことで、流石USAと感心し
ました。

 日本では原発ばかりでなくゼネコンが関係する大規模な公共事業の類いは一
旦建設が始まれば、政経済界からの圧力で事業が途中で中止になるということ
はあり得ません。USAの民主主義の一端を垣間見た気がしました。BNLでは、到
着する日がちょうど夏時間への切替日になっていたのに気がつかず、電車に乗
り遅れたことと、宿舎の庭に鹿が歩いていたのも楽しい思い出です。BNLには
3日間ほど滞在して、タクシーでJFK空港に行き、プラハに向かいました。

                  ※

 飛行機は快適で、4月12日にほぼ時刻通りプラハ国際空港に着きました。プ
ラハでは、チェコ科学アカデミー(Czech Academy of Science)のドヴォルザ
ーク(V. Dvorak)先生が所長をしていた物理学研究所の強誘電体部門のペッ
ツェルト(J. Petzelt)博士にお世話になりました。チェコでの共同研究、前
回登場した西澤社長や友人の田中泉氏との後日談、パリとオルレアンでの研究
については紙面の都合で次回に紹介いたします。乞うご期待。
                                【 以下次号 】

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 ○●○●○ 『信州大学校友会』設立の動きをお伝えします ○●○●○
━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥…━…‥…━…‥━…‥‥
 ∴\∨/∴   【 昨年暮れ、大学本部から「信州大学校友会(案)について」
 −>*<−  というパンフレットが配布されました。山沢学長肝いりのこ
 ∵/∧\∵  の『信州大学校友会』とはいかなるものか。何を目指し、ど
  ∵│∵   のような組織とするのか、また、これまでの各学部・各学科
        同窓会との関係をどう考えているのか。たくさんの疑問が涌
いてきます。そこで、担当部署である、信州大学研究推進部・産官学地域連携
課の担当者を訪ねて、お聞きしました。一問一答形式でお伝えします。】

   ● 信大同窓会連合会との合流でもなく格上げする案でもない
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Q1:このたびの『信州大学校友会』設立の目的を短く語っていただくと? 
   (下記「設立の背景と目的」を参照)
A--:これまでオール信大として活動が十分でなかったので、そうした役割を
   担い、直接関係のなかった大学と各同窓会とのコミュニティも形成して
   いきたいと思う。
Q2:具体的には?
A--:教職員、OB・OG、保護者等を交え、外部の関連団体とも連携して、
   これまでになかった広がりのある活動を考えている。課外活動への支援
   や就職支援などの学生に対する様々な支援、全学的なホームカミングデ
   ー等を考えているが、具体的に何をしていくかはこれからの検討となる。
Q3:信州大学には、すでに同窓会連合会があるが、それとの整合性は?
A--:連合会は残していきながら、並存し連携していく。連合会を格上げする
   案でもない。事務が各同窓会を回って意見聴取をした。いまのところ連
   合会との合流を考えていないが、各学部同窓会の皆さまと検討していき
   たい。
Q4:『信州大学校友会』は、大学の公式機関か、それとも現状の各同窓会の
   ように任意団体か?
A--:任意団体である。
Q5:組織の責任者つまり会長について、パンフには「信州大学長?著名な卒
   業生?」と書かれていてあいまいだが?
A--:大学のなかに「設立準備室」をこの3月に立ち上げた。その責任者は学
   長だが、実際の『信州大学校友会』会長に学長が就任するかどうかは未
   定。各同窓会のなかには学長の兼任は避けるべきとの声もある。
Q6:会費つまり運営資金について、パンフには「個人会員:本学の学生。卒
   業・修了生、役員・教職員(退職者含む)…20000円(生涯会費)」な
   どと書かれているが? 
A--:運営資金として、会費は会員からの2万円の生涯会費を徴収する予定で
   あり、新入生からは入学時に徴収という案に1本化して提案していきた
   い。
Q7:『信州大学校友会』設立に向けてのの日程はどうか?
A--:平成25年度中(来年3月まで)の設立を目指している。
Q8:今後予想される将来像については?
A--:“信大愛”といった愛校心を在学中から芽生えさせるようにしたい。卒
   業してからも気軽に帰ってこれるような大学になればいいと思う。

・・・・《 インタビューを終えて 》・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 担当者は、信大教育学部卒で30代の若手でした。学長から大役を任されてい
るところから、よほど信任が厚い方とお見受けしました。ご存知のように信州
大学は総合大学とはいえ、出生から各地の単科大学の集まりのようなもので、
それぞれ伝統のある独立した同窓会組織で固められています。このたびの起
草には、そうした状況を改善し、全学的な幅の広い活動をしたいという意図を
感じます。“信大愛”という言葉に代表されるような、信州大学として一つに
まとまっていけるような活動と組織を模索する姿勢が窺えました。

“信大愛”といえば、ことしの入学式で校歌の代わりに旧制松本高校・思誠寮
寮歌「春寂蓼」が大々的に唄われたそうです。学長の方針が出た一事でしょう。
我々としては「春寂蓼」が校歌として全信大に定着すれば、嬉しいことです。

 ところが『校友会』と同じような目的のものとして、信州大学同窓会連合会
がすでにあります。今回の『信州大学校友会』構想への最大の疑問はそこでし
た。大学(学長)側は、連合会の格上げあるいは一体化でなく、並存のカタチの
選択肢を選んだということですが、今回の取材ではその真意は不明でした。

 ちなみに連合会の運営資金は、各学部同窓会からの納金(年間7万円×各学
同窓会)でまかなわれています。『信州大学校友会』設立案のパンフレットが
配布されて以降、様々なリアクションがあったようですが、『校友会』の会費
独自徴収案にも、学部同窓会のなかには反対意見があったようです。いろいろ
意見を聞いて回っているうちに、ああでもないこうでもないと言われ、当初の
方針からブレて迷走していかないか、若干危惧されるような印象も受けました。

 ただし一方、入学生から「校友会費」として新たに2万円の徴収がされれば、
理学部への入学生の場合、現行同窓会費の3万円と合わせて5万円となり、か
なり負担感が高まります。そうした面からの議論も必要のように感じました。

 私立大学では当たり前の、学長と同窓会長の兼任など、多くの改革案を含ん
だ『信州大学校友会』(案)です。しかし結局、もうひとつの“同窓会連合会”
のようなものに落ち着いてしまうのかどうか、瀬戸際に立たっているようにも
見えました。それは、信州大学そのものの行く末でもあります。次代を切り拓
く信州大学の新たなステージを出現できるのかどうか、見守りたいところです。

       ・・・(信州大学物理同窓会報編集委員会 藤・記)・・・


  〔付記〕信州大学校友会(案)に示された「設立の背景と目的」
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  「知の継承(教育)と新しい知の創造(研究)」の拠点となる信州「知の
  森」を構築していくため、信州大学が次のステージにワンランクアップす
  ることを目標とし、学長の主導のもと各理事・副学長を中心に、すべての
  分野で農成員が一丸となって取り組む『PLAN“the FIRST”2011−2013』
  が、2011年10月に作成された。

   この構成員は、現職の教職員だけでなく、現役学生、卒業生、教職員OB、
  その他信州大学に関係の深い関わりを持つ方々であり、このプランを実現
  させるためには、それらすべてを包括する時間的、空間的広がりを持つコ
  ミュニティー、あるいは共同体の力が必要である。

   また、『PLAN“the FIRST”2011−2013』に限らず、「そのような総合
  力を結集し、新しい時代に対応する地域拠点大学の構築に向けて、大学の
  改革が必要である」と、信州大学同窓会連合会や東京同窓会では、常に大
  学との議論において要望されてきた。

   このような背景から、信州大学にゆかりのある人々と信州大学各同窓会
  をはじめ、関係する全ての組織を包括する新たな組織としての「校友会」
  を創設する。信州大学のコミュニティーの育成と発展を図るために、新た
  に創設する校友会は、信州大学の各同窓会組織に加え、新たに現・旧教職
  員、現役学生をも包括した形の任意団体として構成する。さらに、校友会
  と信州大学とが協調して活動できるような形の運営体制を整えていく。

   これまでの大学と同窓会等との関係をより強固なものとし、恒常的で、
  双方向的な新たな関係を構築し、交流を盛んにすることで、信州大学の基
  盤を強固にし、信州大学校友会を信州大学と多くの方々との架け橋となる
  組織とすることで信州大学のさらなる発展を期していく。そこで、信州大
  学に関係する全ての方々が、信州大学に集い、交流する場として信州大学
  校友会を創設するものである。
                (「信州大学校友会(案)について」より)

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    ■ スズキ・メソード世界大会 ■(「松本平タウン情報」4/4より転載)
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            宮地 良彦(信州大学名誉教授・物理同窓会名誉顧問) 
--------------------------------------------------------------------- 
  (・>   【 宮地先生が地元紙「松本平タウン情報」一面の連載コラム『展
  /彡))   望台』に寄稿された記事を全文ご紹介します。外人の姿が目立っ
 / /     た3月の松本では“楽都”たるある祭典が開かれていました。 】
 /"?k_     ---------------------------------------------------------
       小さなバイオリンケースを抱えた親子連れや、いつもは見かけ
ない若い外人の一行が目立った3月末の数日。松本市で第16回スズキ・メソー
ド世界大会が5400人の生徒と指導者を集めて開催された。生徒指導と指導者の
研究会を兼ねた夏期講習会は毎年のことだが、松本での世界大会は1999年の第
13回以来である。

 楽都松本というと頭に浮かぶのは小澤征爾のサイトウ・キネン・フェスティ
バルかも知れないが、楽都としての原点は、全国幼児教育研究会松本音楽院と
して昭和21年に発足し、23年改称したこの才能教育研究会にあるのではなかろ
うか。

 才能教育研究会は、「どの子も育つ、育て方ひとつ」という鈴木鎮一の言葉
に従って、プロの演奏家を育てることではなく、心の豊かな人を育てることを
目標に、生活の中での音楽の役割に重きを置いた教育が行われている。

 かつて第1回の鈴木テン・チルドレンの一人として渡米演奏をした早野龍五
東大大学院教授は、シンポジウムの基調講演「まねること・まなぶこと」で、
最先端高エネルギー物理学研究の中に生きているスズキの教えを語った。

 この世界大会では、2千人の子どもたちの合奏を皮切りに、楽器別レッスン、
ゲストコンサート、生徒による協奏曲の夕べ、大会記念オーケストラコンサー
ト、ゲストによる対談など、多彩な企画が市内各所で繰り広げられた。

 楽都松本の原点でありまた象徴でもあるこの幼児音楽教育が、今後ますます
発展することを心から願っている。

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      ■  袖山隼雄さん(文理16)を悼む ■
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    三澤 進(文理16/勝木研究室・元穂高東中学校校長 安曇野市在住)
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  ■‥■‥■   去る三月二十一日袖山隼雄さんは、筋萎縮性側索硬化症と
  :\ /:  いう難病と闘いながら急逝されてしまった。信大付属病院を
  ■‥■‥■  退院し、じっくり自宅で静養しながら趣味の世界に没頭しよ
  :/ \:  うと考えていたやさき容体が急変したとのことであった。
  ■‥■‥■
         あまりにも早すぎる一生であり痛恨の極みであった。この
病気は奥様のお話によれば、筋肉が衰え、治療方法が確立されていない難病で
あるとのことであった。私は、昨年の初秋の頃であったか信大病院に検査入院
している袖山さんを訪ねた。数年前と同様また、すぐに治って駅前で一杯飲も
うと約束して別れた。

 そのときは、腱板断裂という肩の難しい手術であったが、丸の内病院の院長
に執刀してもらい数ヶ月の後二人でビールをくみかわすことができた。海野宿
での写真撮影の際、田んぼの畦道で足を滑らせ転倒し、肩を強打してしまった
とのことであった。

 思い返せば袖山さんは、大学に入学してまもなく病魔に襲われ長期にわたり
入院せざるをえなくなり一年間を棒に振ることとなってしまった。その後は、
健康に恵まれ、有り余る才能を発揮し、縦横無尽の活躍であった。

 物理学科のゼミにおいては、勝木教授の懇切丁寧であたたかいご指導を戴く
ことが出来、充実した時を過ごすことができた。当時助手であった寺尾教授と
のコンビは最高であった。

 卒業後は、それぞれの道に分かれお互いに仕事に没頭していた。幾年かが経
過し勝木教授が退官するという知らせを寺尾教授からお聞きし、久しぶりに理
学部に集結し、式次第等を検討した。その際、教室に記念講演会という大きな
幕を下げようという話になり誰が揮毫するのかということに話がすすんだ。

 俺の字でよければといって当日、袖山さんが書家のような字を書いてきた。
私は彼の豊かな才能にひとり舌を巻いたことを覚えている。県内の大町市・松
本市の進学校で物理学を教え、後半は、長野県総合教育センターの専任主事と
して県下の若い教師や再度研究しようとする教師たちの指導に携わるなど専門
性を生かした指導者としての道を歩んできた。そして、高等学校の教頭として
3期勤め上げた。

 退官後は、私は、三郷教育委員会、豊科の田淵行男記念館につとめていたが、
しばしば、袖山さんが訪ねてきてくれ、近くの喫茶店でコーヒーを飲みながら
お互いの現状を楽しく報告し合ったことが懐かしく思い出される。

 袖山さんは、松本市の教育文化センターの館長として、その力をかわれ天文
台などでの指導にも力を入れていた。天文学にも興味を持っていたとは思いも
よらないことであった。多趣味であり、版画にも意欲的に取り組んでいた。

 葬儀場に展示されていた作品の一つが「待春」である。
 彼の残したメッセージ。              
                ☆        
  〔『多くの友人と親しいつきあいをさせてもらい心強く豊かな人生を
    満足しています』袖山。〕  
   
----------------------------------------------------------------------
     ■ 袖山隼雄さんの訃報に接し、心、切なく悼みます。■
----------------------------------------------------------------------
                 勝木 渥 (元信州大学教授/東京都多摩市在住)
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           【 当会メーリングリストに勝木先生から、このようなコメントが
       寄せられましたので、ご紹介します。】
        ---------------------------------------------------------
 私が信州大学に赴任したのは1967年4月でした。松本高校跡の後者の一室が
私の研究室として割り当てられましたが、その私を、卒研の指導教員に選んだ
学生が4人いました。文理5年生の太田清文、袖山隼雄、三澤進、4年生の澤田
暉重の4人でした。

 最初のゼミの日、雪が降りました。4人は私をグランドに連れ出して、スキ
ーの衣装を纏わせてスキーを穿かせ、カメラを斜めに構えて電柱や架線を画面
に入れないように気をつけながら、斜面を颯爽と滑り降りる私の勇姿ないし英
姿をカメラに収めました。以来、在松29年間を通して私のスキー姿はこの1枚
きりでした。

 先に太田清文逝き、今また袖山隼雄逝く。自分の教え子たちが自分より早く
世を去るのを見送ることは、まことに思い切ないものがあります。

 袖山隼雄さんの冥福を祈るのみです。

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              ◆      西丸震哉先生を偲ぶ    ◆
----------------------------------------------------------------------
           杉原 保幸(理学5S/電子研究室・西丸震哉記念館館長)
----------------------------------------------------------------------
   (~)    【 西丸震哉氏がお亡くなりになって1年。世界の秘境探検で
  (こ※こ)   知られ、食を通じて「現代社会の異常性に警鐘を鳴らす」著
   (_)(_)      作活動でも有名。母方に島崎藤村の流れを汲み、兄に信大医
        学部教授の故西丸四方先生。2008年より西丸震哉記念館を主
        宰する杉原さんに一周忌を前にして一筆お願いしました。】
----------------------------------------------------------------------
  1.はじめに
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 長野県北西部,大町市の木崎湖畔にある西丸震哉記念館は、西丸氏の人類食
物史を辿る探検旅行の収集品を主に展示する。1968年当時、文明未接触・食人
習慣が残るパプア・ニューギニア高地には磨製石斧や弓矢を主たる道具とする
社会が現存し、日本の縄文中期に相当する暮らしであった。記念館の隣接地か
らは、縄文中期初めの竹管紋土器,黒曜石剥片、石鏃、軟玉製垂飾などが出土
し、その敷地内の法面のローム層から緻密で鋭利な旧石器の可能性のある剥片
が採取されている。

  2011年度には、法面のロームの鉱物分析を実施し、最下層から立山D テフ
ラ(9 万8 千年前)の軽石,その60cm 上部より姶良テフラAT(2 万8 千年前)
の濃集帯が検出され,この間からそれらは取り出されている。

 また居谷里湿原の掘削調査(長野県科学振興会助成)を含めその内容は、西
丸館春期企画展や2013年度日本旧石器学会ポスターセッションで発表する予定
である。これも、「カンオケに入ったとき、やりたいことは、かなりやったァ
と、ニンマリできる、自分でありたい、ネェあんた?」という、西丸流の生き
方の実践と考えている。

  2.西丸震哉の足跡
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 1923年9月、東京青山にて誕生、関東大震災発生混乱の中、5日目に生まれ
る。父方:西丸(佐々)は旧水戸藩士、助さんの子孫曾祖父、西丸帯刀は野口
家からの養子(野口雨情の大伯父)、桜田門、坂下門の変の首謀者。母方:馬
龍本陣の一人娘(島崎藤村は大伯父)で、小学生の頃から、昆虫採集、天体観
測に興味をもち、中学生で本格登山を始める。

  八ヶ岳、木曽駒、北アルプスなど単独登山に励む。赤岳北壁初登攀など、先
進的登山の時代の後、尾瀬での人跡未踏の湿原や池糖を巡る旅とは桃源郷を目
指すもので、後半の原始社会を探る旅の準備ともなり、台湾脊梁山脈踏査(19
59年)以後、原始社会を探る旅でも、さらに原始感覚を磨き、世界中の山々を
自らの住みかとする。

 こうした、足跡や先生の文化人としての表現も含め、2013年8月4日から大町
市教育委員会主催で、会場「ギャラリーいいずら」で公開される(無料、ただ
し、西丸館は普段入館無料ながら、この間原始感覚美術祭期間中となり有料と
なります)。

  3.団塊の世代へのエール
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 2012年5月24日、先生は永眠され、一周忌を目指し、出版事業が企画されて
いる。そのなかで、先輩・同年・後輩を含め、ほぼ該当する年代が多い「団塊
の世代に期待する」(不健康長寿国ニッポン、家の光協会)から、一部紹介し、
先生を偲びたいと思う。

「生まれてからのはじめの十数年は欠乏の時代を身をもって味わっているとい
うことが貴重である。豊かな生活物資にかこまれ、飽食が気ままにやれる時代
に生きていても、そのあとの世代のように、それを取り外されたとき、ガラガ
ラと心身が崩壊するような怖れはまず絶対にないだろう。(略)
 イザという時がないうちは、みんな一様にダラダラしていて区別はわからな
いものだ。しかし幸か不幸かイザという時はそう時間を置かずにこないではす
まされない宿命というか台本ができているはずなので、間もなくあなた方は真
価を問われる、または真価を発揮する時がくる。
 まあせいぜいがんばってもらおうじゃないか、と期待している。」
 
                   【 西丸震哉記念館館HP:http://nishimarukan.com/ 】

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 □■□□■□ 2013年春 卒業生・修了生の進路状況 □■□
----------------------------------------------------------------------
 2012年度は企業の広報活動開始が12月になり,就職活動の短期化が言われて
いたのですが,活動が後期にまでずれ込んだ学生が前年度よりも増えた印象を
持ちました。企業訪問を始める前の準備をより入念に行う必要があるのかもし
れません。(3月末時点の集計です)

■学部4年 進学希望者 22名 決定(内定)者 22名
      就職希望者 12名 決定(内定)者 11名
■修士2年 進学希望者 12名 決定(内定)者 11名
      就職希望者  0名 決定(内定)者  0名
■博士課程 該当者なし

 2名は活動を継続中です。具体的な進路については次号でお伝えします。

                                  (加藤千尋/理学部就職委員会委員・記)
                                       
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 □■□□■□ 2013年度 信州大学理学部物理科学科入試状況 □■□
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 ∩    【 今年度の大学入試が終了しましたが、信大物理では、推薦、前期、
 ||nnn  後期の3回のチャンスを設定しています。注目の前期日程の志願状
 l⊃ノ   況ですが、20人募集に63人の出願で志願倍率3.2倍。昨年までの上昇
/ /    傾向から一歩後退でした。

   物理科学科の取り組み
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■学部【推薦入試、一般入試(前期日程,後期日程)、帰国子女入試、中国引揚
    者等子女入試、私費外国人留学生入試、3年次編入学】

     面接とセンター試験の結果で合否を判定する推薦入試を平成21年度
    入試から定員5名で導入した。前期日程と後期日程は、それぞれ定員
    20名, 10名で募集し、後期日程はセンター試験の結果のみで判定して
    いる。3年次編入学は、短大および高専の卒業生の進学先を提供する
    ために実施している。帰国子女, 中国引揚者等子女, 私費外国人留学
    生入試は、志願者がいれば実施する。

■大学院(修士課程)【一般入試】
      口述試験のみによる第I期試験(6月)と、筆記試験と口述試験によ
     る第II期試験(8月)を実施している。

   今年度の状況
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
●学部: 推薦入試は、定員5名に対して11人(昨年13人)の受験者があり、
    開始初年度を除いて倍率は安定して2倍前後を維持している。平成
    21年度に入試の変更を行なってから一般入試の志願倍率は前期3〜4倍、
    後期4〜7倍で推移している。今年度は前期日程3.2倍, 後期日程4.4倍
    でどちらも昨年度と比較して減少したが、高等学校や予備校に合格者
    のデータが揃って合格できそうな人しか出願しなくなってきたとも考
    えられる。今後、落ち込むようであれば検討が必要になる。

●大学院: 今年度は、大学院の改組のため入試の時期が遅れ、例年6月と8
    月に行っているI期入試とII期入試を10月に同時に実施した。この時
    期になると他大学院の入試は終了しているため、日程が重なることは
    なく、他大学からの受験者2人を含め20人の出願があり、19人が合格
    した。
                                             (志水久/91SA・記)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ■ 理 学 部 出 願 状 況(2013年確定志願者数)

  学  科     前期 (A)(B)(C)   (D)(E) 後期 (A)(B)(C)    (D)(E)
----------------------------------------------------------------------
数理・自然情報科学科 25 90 3.6 (2.9)(3.0)   27 180 6.7 (7.9)(5.7)
物理科学科            20 63 3.2 (4.2)(4.0)     10  44 4.4 (4.6)(5.4) 
化学科                15 45 3.0 (3.3)(4.1)     15  50 3.3 (3.6)(5.6) 
地質科学科            10 22 2.2 (1.9)(2.5)     15 124 8.3 (8.6)(7.4) 
生物科学科            15 29 1.9 (3.5)(1.7)     15  92 6.1 (9.4)(5.2)
物質循環学科          10 28 2.8 (4.2)(4.0)     10  43 4.3(13.5)(5.7)
----------------------------------------------------------------------
(A):募集人員 (B):志願者数 (C):志願倍率(倍) (D):昨年志願倍率(倍)
(E):一昨年志願倍率(倍) 

※上表のように、おおむねどの学科も受験生を減らしていて、信大全体では昨
年比0.3ポイント低い4.9倍だったことと連動したとも見受けられます。全国的
に物理系の人気が下がったことと関係するのかどうか、県内の受験者の動向を
含めて検討の必要がありそうです。なお、他学部では医学部と農学部の前期日
程での受験者増が目立ったそうです。 (信大物理同窓会報編集委員会・記)

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 ┃卒┃業┃論┃文 ┃修┃士┃論┃文 ┃の ┃テ┃ー┃マ
 ┗━┗━┗━┗━ ┗━┗━┗━┗━ ┗━ ┗━┗━┗━       
  本年卒業・修了された方々の論文のタイトルを以下にご紹介します。
 ________________________________
  ◎  学部卒業生
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 寺田 怜真:CeNiGe2の高圧下で物性の研究
 丸岡 奈央:Ni2Mn(1+x)Z(1-x)(Z=Sn,Ga)の磁性 
 佐藤 雅裕:THz領域における回折現象を超える光学素子の作製
 菅 紗希子:メタマテリアルを用いた超高感度THzバイオセンサの開発
 村井 光太郎:金属スリットレンズと加工機の構築
 森田 博紀:メタマテリアルによる電磁誘起透明化現象の模擬およびTHz波の
       群速度感度制御
 丹羽 音菜/三村 昌子/倉田 博誉/丹羽 博康:タンパク質と密度汎関数理論
 坂本 成章:ER流体の分子動力学によるシミュレーョン
 大野 修平/宮澤 渓:RKKY相互作用と近藤効果
 手塚 明仁:核融合とプラズマ
 大原 智也:クォー模型
 後藤 大晃:強い相互作用
 村 遼平:電弱統一理論
 時田 龍一:超対称性量子力学

 田中 晋哉:確率微分方程式を用いた宇宙線の太陽変調の研究
 長久保 憲太郎/薄 公志:太陽活動と宇宙線強度の長周期変動
 原 聡志:Voyager1と地上ニュートロンモ二ターで観測された宇宙線強度の
      長期変動
 山田 美幸/丹羽 健徳:銀河宇宙線の南北異方性とそのエネルギー依存性
 中嶋 隆明:名古屋ミューオン計で観測された宇宙線太陽時日変化異方性の
       長周期変動
 杉浦 佑樹:宇宙線強度太陽時日周変動異方性の高次成分と長周期変動
 山崎 綾紗:クェーサーHE0151-4326に見られる吸収線の時間変動について
 中尾 知博:Geant4によるカロリーメータの性能評価
 山下 智:MPPCのアフターパルスの測定
 小須田 創:MPPCによる大型プラスチックシンチレータの光量測定
 都築 拓也:ILCのECAL用シンチレーターの光量一様性
 赤澤 健:電子・陽電子対消滅γ線の角度揺動
 南山 仁美:Thick-GEMの温度依存性とガス流量依存性の測定
 市村 拓弥:Thick-GEMの動作条件の最適化と光読み出しについての研究
  ________________________________
  ◎  修士修了生
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 渡邉 謙介:宇宙論におけるインフレーションモデル
 玉川 耕介:ATLAS実験における端部μ粒子トリガーシステムアップグ
       レードの性能評価
 小林 秋人:細分割電磁カロリメータ用光センサーMPPCの応答特性の研究
 稲吉 真次:センサーと読み出し回路を積層したシンチレータストリップ型
       電磁カロリメータ試作機のビームテスト
 石ア 章雅:銀河宇宙線強度の太陽時日変化異方性とその長周期変動
 中野 義丈:メキシコ・新宇宙線ミューオン計の性能評価
 西田 翼:メタアトム装荷光伝導アンテナからのテラヘルツ波発振
 西山 洋平:テラヘルツ領域における人工微細構造体の電磁波特性
 荒木 遼平:強誘電体フォトニック結晶中のテラヘルツ電磁波の伝搬特性
 小川 秋平:テラヘルツ領域におけるメタマテリアルの表面波励起
 大日方 聖:FeSi1-xGexの磁性研究
 相澤 勇也:高圧下電気抵抗測定によるCe-Ni-Ge系化合物の研究

  ※修士論文・博士論文は印刷物として学科に保管されています。
    
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   ┃T┃O┃P┃I┃C┃S┃ 
   ┗━┗━┗━┗━┗━┗━  
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ┃松┃本┃秀┃峰┃中┃等┃教┃育┃学┃校┃と┃教┃育┃連┃携┃

   ◎ 3月15日(金)に、信州大学理学部と松本秀峰中等教育学校との間にお
      いて、教育に係る包括的な連携を図るための連携協定調印式を実施。理
      科離れが進む中、将来の科学・技術立国を支える中学生・高校生の数学
      と理科に対する教育が極めて重要です。本協定を締結することにより、
      両校がより一層協力し、相互の教育・研究の充実発展に活かし、地域の
      理数教育に寄与して行きたいと考えています。

        当面は、生徒と学生が互いの授業への参加等を通じて理学部学生と秀
      峰の中・高校生の交流および教職員間の交流を図ります。互いに教え・
      教えられることを通して、自分を見つめ直すとともに学ぶ意識を高め、
      広い視野と適応性を兼ね備えた理数系人材育成を目指します。
                     (信州大学理学部HPより抜粋)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ┃信┃州┃サ┃イ┃エ┃ン┃ス┃ミ┃ー┃テ┃ィ┃ン┃グ┃開┃催┃

   ◎ 信州大学理学部において、3月16日(土)に高大連携事業「信州サイ
   エンスミーティング」が開催されました。これは、長野県内の理数科設
   置高校とSSH指定高校の、研修と成果発表の場である「信州サイエン
   スキャンプ事業」のプログラムとして企画されたものです。

    メインの企画は、9つの高校(飯山北高校、屋代高校、野沢北高校、
   諏訪清陵高校、東海大学付属第三高校、伊那北高校、飯田高校、木曽青
   峰高校、大町高校)の生徒が主体となって運営される合同研究発表会。
   今回は、高校生・大学生合わせて100名を越える盛大な会となりました。

    午前中の口頭発表の部では、第一講義室を会場として、各高校から1
   組ずつ、研究発表が行われ、午後は、大会議室に会場を移してポスター
   発表が行われました。理学部からは理数学生応援プロジェクトの受講生
   による10組が参加し、高校生のポスター発表26組と合わせて、計36組の
   研究成果が展示され活発な意見交換が行われました。
                     (信州大学理学部HPより抜粋) 

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ┃卒┃業┃生┃と┃在┃学┃生┃表┃彰┃者┃に┃副┃賞┃
      
   ◎3月21日(木) に信大松本地区の合同卒業式が、松本市の県松本文化会
   館で開かれました。午後からは各科に分かれて卒業証書の授与式が行わ
      れ、物理は3階第8番講義室に集合。学科長の小竹先生から、出席者全
   員に証書が授与され、その後、成績優勝者にも表彰状が授与。さらに当
   会から、今回で4回めとなる副賞(あずみ野ガラス工房製の【花のオブ
   ジェFlowers】)が贈呈されました。

   【表彰者】 
   ・卒業生(4人) 赤沢健 手塚明仁 宮沢渓 森田博紀
   ・1年(6人) 穴瀬信 鈴木勇介 林卓弥 本間哲 丸山真平 和知岬
   ・2年(3人) 松尾竜也 千葉永 小嶋涼太
   ・3年(4人) 杉岡翔太 中島寛人 福永岳 脇坂尭行

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   ┃大┃塚┃直┃彦┃の┃ウ┃ィ┃ー┃ン┃便┃り ┃第┃14┃回
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  ◎ウィーンでの「受難曲」演奏会とインド出張の思い出
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              大塚 直彦(理学24S/国際原子力機関・IAEA勤務)
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・。・☆・。・☆.,;:.     今日は復活祭の日曜。例年、春分後の満月の
   ☆ /\ .:'          後の日曜が復活祭の日曜となるようですが、今
 , /\/ \ 。・☆・゜ 年はそれが3月末の日曜。3月末の日曜とは毎
.:'/ \ ::'\ ・。・   年サマータイムの開始日でもあります。
 '. ̄‖ ̄.‖     ☆・゜・ 
               この日は未明2時に時計の針が1時間進めら
れ、朝は1時間早く起きなければなりません。長く暗い冬が終わり花の咲き出
すこの時期は、例年なら一年でもっともうきうきする時期です。ところが今年
に限っては真冬日こそなくとも最低気温氷点下・最高気温5度未満という、陽
のあまり差さない日が相変わらず続いており、今日も雪が舞うあいにくの一日
となりました。                        
                            (31MAR.2013)
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ■ 復活祭前の受難節には「受難曲」の演奏会が随所で
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 さて、そんな復活祭は受難という出来事に続くイエスの復活を祝うものです
が、復活祭前の受難節(四旬節)と呼ばれる時期には「受難曲」の演奏会の案内
を市内随所で見かけます。
                             
 受難曲とは、新約聖書の中のイエスの言行を記録した「福音書」と呼ばれる
書物のうち、受難に関する部分を抜粋し、それに音楽を施して演奏する声楽曲
で、曲によっては福音書の合間に賛美歌や自由詩が挿入されることもあります。

 古今多くの作曲家がこの受難の物語に音楽をつけてきたようですが、最も有
名なのはバッハがマタイとヨハネの福音書をもとに作曲した2曲だと思われま
す。(私も実はこの2曲以外の受難曲を聴いたことがありません。)

 マタイ受難曲は1985年のバッハ生誕300周年の折だったか、バッハが初演の
際にも演奏をした聖トマス教会合唱団のものをFMラジオで聴いたのが最初でし
た。信大在学中には、松本の音楽文化ホールで、やはり聖トマス教会合唱団の
演奏を今度は生で聴くことができました。


 松本を離れてからは、時々CDで聴くことはあっても生演奏でマタイ受難曲を
聴く機会には恵まれませんでした。

  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ■ ウィーンにてバッハの「マタイ受難曲」を再び生で
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 ウィーンに赴任して間もない頃、ニューイヤーコンサートで有名な楽友協会
ホールにふらっと入ったら、アーノンクールというオーストリア人の名指揮者
が指揮するヨハネ受難曲が演奏されていた最中で、中途の入場はできないとい
われ、泣く泣くロビーのモニターで終演まで見届けたこともありました。

 今般、マタイ受難曲の演奏会の切符を買ったものの同時期に出張が入ってし
まった同僚が居ました。そこで、彼から切符を譲っていただき、このマタイ受
難曲を久々に生演奏で聴くことができました。ヘルベッヘというベルギー人の
指揮者による主観を排した古楽器による淡々とした演奏を通じ、マタイ受難曲
の中に込められたバッハの音楽の密度の高さというものを改めて感じました。

 その日のコンツェルトハウス大ホールは演奏会場というよりは教会のように
感じられ、受難節の時期にキリスト教の伝統を持つ人に交じり、「原罪」や
「贖罪」というキリスト教独特の考え方に音楽を通じて触れたわけです。

 私のウィーンでの日々の生活でドイツ語を必要とする状況は殆どなく、残念
ながらドイツ語を学ぶ努力を怠ったまま5年が過ぎてしまいました。にも関わ
らず、なぜか印刷された対訳の歌詞を追うのが随分と楽になり、これが鑑賞を
大いに助けました。

 こちらで見聞きするドイツ語に刺激されて、学部時代に2年間勉強したなけ
なしのドイツ語の知識が、意識の奥から日々浅いところに呼び戻されているの
かも知れません。一時、教養部の解体が進みました。しかし、こちらで色々な
人と仕事上の関係を築く上では、専門とは無関係な教養(たとえば歴史や宗教)
が話題の構築に大変に有用です。こちらの人たちの中には数百年前の自国の歴
史を昨日自分の身の回りにあったかのように話す人が居て驚きます。

 最近は「国際的人材育成」などのために歴史や哲学の講義を用意する理系の
大学院があるようですが、教養部で色々な学部の人たちと幅広く色んなことを
学び話し合えたことは、信大のような総合大学の学生ならではの大きな特権だ
ったように思います。

  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ■ インドでは少しの油断で簡単にPCウィルスに感染
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 仕事の方では、2月にインドのワラナシ(Varanasi、旧ベナレス Benares)と
いうところにに出かけました。国際機関にに採用されるまでは、途上国の研究
活動の支援には特に関心を持つことはなかったのですが、今回、インドの大学
院生と三食を共に、刺激の多い大変に充実した一週間を過ごしました。

 出張前に職場の医務室にでかけたところ、この街はマラリア汚染域の境界に
あるということが分かり、マラリアの予防薬をいただきました。ところがこの
種の予防薬は副作用が大きいと聞き、服用を控えました。

 そのため毎夜寝床を襲う蚊が恐怖でしたが、幸いなことに、潜伏期間の2週
間(続く出張でニューヨーク滞在中)を過ぎても特に体調に異常はありません
でした。その代わりというわけではありませんが、持参したノートパソコンが
ウィルスに感染しました。

 インドは水の汚染が深刻で歯磨きですらミネラルウォーターで行う慎重さが
求められますが、同僚の話ではコンピューターも少しの油断で簡単にウィルス
に感染するのがインドなのだそうです。

 人とファイルを授受するために汚染されたメモリスティックを差すのが典型
的な感染経路のようで、さりとて学生からファイルを見てくれと渡されたメモ
リスティックを自分のノートパソコンに挿入するのは拒否し難く、悩ましいこ
とでした。

 感染したウィルスはプロセスを簡単に殺せないように工夫されており、それ
でも深夜までかけて何とかプロセスを殺し、感染ファイルを発見して消した次
第です。(今では殆ど使われないMS DOSのコマンドを幾つか覚えていたことが
役に立ちました。)

  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ■ 釈迦が悟りを説いたサルナート(鹿野園)を訪れた
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 今回参加したワークショップは主に大学院生や若い研究者が対象に核反応デ
ータのデータベース化を教育するのが狙いでしたが、年配の研究者とも交流が
できました。

 インドは伝統的に低エネルギーの原子核(重イオン)入射反応実験を得意と
していますが、殆どの理論家はむしろ高エネルギーの原子核現象に関心を持っ
いるのだそうで、そのあたりのミスマッチがもう少し改善されれば良いのにな、
という印象を持ちました。

 出張前は準備で忙しく当地の名所旧跡を調べる余裕などありませんでしたが、
悟りをひらいた釈迦が、それを初めて人々に説いたサルナート(鹿野園)とい
う場所に連れていって頂きました。

 色々なアジア系の仏教徒の巡礼者が芝生の上に座りお経をあげておられるな
と思ったら、その鹿野園の静寂を破るかのように突然棒を振り回しどなりつつ
走るおじさんが現れました。なにごとかとおじさんの行く先をみると、少年が
柵をひょいと跳び越して走り去っていきました。
                       
 ●『OB/OG』第6回→( http://www.supaa.com/kikou/otsuka01.html )

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 □■新たに┃同┃窓┃会┃員┃登┃録 された面々のプロフィール  
 □■改めて┗━┗━┗━┗━┗━┗━(到着順:2012年4月〜20013年3月)
  □▲会員登録のページ:(http://www.supaa.com/supaa_form.html)
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 ― ◯ ─   ングリストにも追加されます。そのルートから、当メルマガ会報
 / | \   も配信されます。会員側からも、当MLの代表メ−ルアドレス
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      く仕組みです。ただしまた、メーリングリストから届いたメール  
に「返信」しますと、全登録会員に届きますのでご注意ください。

◎なお「プライバシーポリシーと名簿閲覧規則」により、登録会員の詳しい情
報は、学年幹事(学年幹事が未定の学年は代表メール info@supaa.com )を通
じて請求してご覧ください。

◎当欄では、登録または更新された方の氏名、学年と所属研究室を記載します。
(以下、到着順・敬称略) ★当会「プライバシーポリシーと名簿閲覧規則」
        → (http://www.supaa.com/pages/kaisoku_privacy.html)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 90S:江戸 健二郎          91S:関口 誠一郎        8S:菊池 進     
 所属:物性研         所属:素粒子論          所属:電子研
……………………………………………………………………………………………
 94S:上林 一彦        07S:中野 義丈        7S:根岸 正美
 所属:物性理論             所属:宇宙線        所属:素粒子論
……………………………………………………………………………………………
 96SA:塩澤 敬            10S:加藤 美孝         2S:小林 善哉     
 所属:               所属:電子研           所属:電子研
……………………………………………………………………………………………
 96S・00SA:川本 哲顕       99S:北原 英明         07S:西田 翼     
 所属:素粒子論       所属:物性(誘電体)     所属:光物性  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◎住所、メールアドレスなどに変更が出た場合は、「同窓会員登録」から再
 度ご連絡ください。
 ◎現在、当会メーリングリストの会員数は250余名です。まだ未加入の卒業
 生をご存じの方は、当会のことを伝達いただければ幸いです。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
======================================================================
 <再掲>■「同窓会費」は終身会費として1万円。『会計細則』決まる!■
----------------------------------------------------------------------
 1.同窓会費は終身会費として1万円とする。一括払いを原則とするが、本
 人からの申し出があった場合は事務局長が分割払いを認めることができる。

 2.事務局長名で金融機関に同窓会の口座を設ける。事務局長が通帳・印鑑
 を管理する。会計担当がカードを管理して口座からの出し入れなどを行う。
 
 3.在校生からの同窓会費徴収は、事務局が徴収日を決めて実施する。徴収
 後、在校生の会費支払い者リストは、すみやかに会長ほか、会計担当および
 関連事務局員に伝達する。

 4.金融機関への振込み手数料は会員の負担とする。

 5.会計担当は、年1回開催する総会を利用したり、メールで呼びかけたり
 して、 卒業生からの会費徴収に勤める。

 6.毎年開催の同窓会総会における参加費の徴集など会計管理については、
 その年の幹事が担当し、事務局が補佐する。必要経費は事務局から事前に仮
 払いのかたちで支出できる。幹事は開催後しかるべく早く収支を事務局に報
 告し清算する。 

 7.会計年度を4月から翌年3月とする。           ┳ξ
 会計はすみやかに決算報告を作成                  ●●●
 して会計監査担当から監査を受ける。               ●●
                                                  ●
 8.本細則の改正は総会で行う。
            ┏━┳━┳━┳━┓
 ▼下記いずれかの口座に┃同┃窓┃会┃費┃のお振込みをお願いします!
            ┗━┻━┻━┻━┛
 ------------------------------------------------------------------
  ◆郵便局の場合/通常郵便貯金 
  記号:11150 番号:20343411
  口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
  住所:390-8621 松本市旭3-1-1

  ◆銀行の場合/八十二銀行 信州大学前支店
  店番号:421 普通預金 口座番号:650215  
  口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
  住所:390-8621 松本市旭3-1-1
           
 ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄ ◎編集後記◎/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄

●・・長野県が昨年、男女ともに長寿日本一になったことはご存知だと思いま
 すが、日本総合研究所の調査による「日本でいちばんいい県 都道府県別幸
 福度ランキング」でも1位に輝きました。自然、空気、水、人情……やはり
 信州(松本)は住みやすい所です。小生は横浜から移住して5年目ですが、
 つくづく正解だったと思っています。5月25日開催の第16回物理会総会まで
 あと1か月、季節のいい信州へ、そして母校へ、ぜひともお越しください。
       ●・・文理最後の学年だった丹羽公雄さんは、小生とは2学年
  /\ ☆   上で面識がありました。2004年の第50回仁科賞受賞には当会
 │○│     のカメラマンとして参列。そのとき奥さんから「信大の方は
 │ │      変わっていて面白いと言っています」とのこと。例にもれず
/| |\    丹羽さん本人もそうとう風変わりで、冬でも下駄を履き腰に
 ̄ ̄ ̄ ̄     手ぬぐいをした姿は、今も目に浮かびます。ノーベル賞候補
 ||||      にまでノミネートされたほどで、業績(今号OPERA計画の立
        案など)は計り知れないですが、今回の連載最終回に書いて
 おられるように、研究を取り巻く現状には相当の危機感を抱いておられます。
 お電話では「名古屋は駄目だ…」とよく言っていて、松本を懐かしんでおら
 れます。今後も、連載の続きとなるようなご活躍を期待したいと思います。
●・・当物理同窓会の仕組みから、活動の鍵を握るのは学年・研究室幹事の方
 々であることは論を待ちません。先日、ウィーン在住で当会報に連載を執筆
 いただいている大塚直彦さんから、学年幹事のお申し出をいただきました。
 たいへん有難いことです。学年(同期)の動きが活発となり、それが当会に
 フィードバックされ全体に波及していく。素晴らしいことです。  (MT)
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○・・丹羽先生の追想録「根源的なる探求の旅」を毎回興味深く拝読致しまし
 た。今回が最終回になりましたが、未知なる世界に挑む飽くなき探求に感銘
 と敬服を致しました。そしてお話にロマンを感じました。学生時代に物理学
 の基礎を徹底的に勉強なされたお話がありましたが、それがとても印象に残
 っております。それがあって今日の成果に繋がったと存じます。
○・・線形加速器の建設計画があり、日本の地もその候補に上がっていると聞
 いておりますが、これにも写真乳剤飛跡検出方法(OPERA)が活躍するのでし
 ょうか。是非日本の地に建設されることを切望しております。   (MM)
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■ MAILMAGAZINE BULLETIN 『信大物理同窓会報』0042号(2013年春号) ■
□ 2013年4月17日  編集・発行/信大物理同窓会事務局
《編集委員》松原正樹(文理10) 藤惇(2S) 渡辺規夫(4S) 太平博久(6S)
□編集長:藤 惇 □ 発行人:根建 恭典
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