[ 信大物理同窓会報0036号(2011年秋号) ]
2011年9月30日配信


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≪≪≪≪≪≪  ●メルマガ会報0036号 2011年9月30日配信● ≪≪≪≪≪≪≪
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          ┃信┃┃州┃┃大┃┃学┃┃物┃┃理┃┃同┃┃窓┃┃会┃┃報┃    
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│田田田田田|          │★ SUPAA MAILMAGAZINE BULLETIN 2011年秋号 │ 
│田田田田田|            ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│田田田田田|──┐■━━■編集・発行/信大物理同窓会事務局■━━■
│田田田田田|田田|             (http://www.supaa.com/) 
│田田田田田|田田|〒390-8621松本市旭3-1-1 信州大学理学部物理教室内
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 ■「旧文理学部物理学科」+「理学部物理科学科」OB&学生と教員の会■
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  ○-- 来年度から大学院の名称が変更。信州大学大学院工 --○ 
  ○-- 学系研究科から理工学系研究科に「理」が一文字追  --○
  ○-- 加されることに! 長年にわたる武田学部長の尽力  --○    ∩
  ○-- によるもので、ようやく達成にこぎつけました。   --○  ⊂○⊃
  ○-- さて、今号の巻頭は、勝木先生渾身の“脱原発”論  --○    ∪
  ○-- 考の1回めです。「庶民を煙に巻くためにのみ展開 --○   ∞l∞
 ○-- するという学問的堕落」との一節など、原子力行政 --○   ∞l∞ 
  ○-- とそれを取り巻く学界の動きを一蹴。舌鋒鋭く、根 --○   ∞l∞ 
  ○-- 源的に問いかけられています。ご期待ください。  --○   ∞l∞  

      【 I ・ N ・ D ・ E ・ X 】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇【短期集中連載第1回】“脱原発”を可能にする道 (仮題)・・・勝木 渥
◇ ┃第15回信州大学物理会総会の概要┃・・・・・・・・ 物理同窓会事務局
◇ 宮丸文章助教が文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞
◇ 物理科学科の当世就職事情について・・・・・・・・・・・・・・小竹 悟 
◇ 学部生3人と昼下がりの雑談・・・・・・・・・・・・(まとめ/藤惇)
◇ ┃父┃・┃松┃崎┃一┃の┃こ┃と┃・・・・・・・・・・・・ 松崎 泉
◇ ┃天┃白┃一┃馬┃先┃生┃の┃こ┃と┃ ・・・・・・・・・輿 恵理香
◇〔 リレーコラム・第1回 〕卒業生が出ていく日本社会の変化・ 近藤 一郎
◇ 《イベントご案内》 ◎理学部授業公開
◇ 暑気払い会に参加しました・・・・・・・・・・・・・・・・・斎藤 秀夫 
◇ ▼△ウィーン便り(9)△▼ 3泊4日の夏休みの旅  ・・・・ 大塚 直彦
◇ <再録>「同窓会費」は終身会費として1万円『会計細則』決まる!
◇ 編集後記

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    ■ “脱原発”を可能にする道 (仮題) ■ 《短期集中連載第1回》
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    仮題としたのは、以下で展開する議論の最後に得られる結論を、この
    論考の表題としたいと思うからです。
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                 勝木 渥 (元信州大学教授/東京都多摩市在住)
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 、∩∩     【 目次 】
 ⊂田田⊃  ◆ 1.私の読んだ、最良の、原発礼賛の論文 ― エネルギー
 ⊂田田⊃      の質(時間的・空間的密度)
 /∪∪     ◆ 2.お粗末な日本の原発推進派の議論 ― 原発推進派の
                      学問的怠惰と道徳的退廃
            ◆ 3.原発推進派のお粗末な議論が、反原発派・原発推進
                      批判派に及ぼした負の影響
              ◇ 4.エネルギーの質の問題詳論
              ◇ 5.“脱原発”を可能にする道   (◆=今回掲載分)
----------------------------------------------------------------------
                  *
 1.私の読んだ、最良の、原発礼賛の論文 ― エネルギーの質(時間的・空
   間的密度)

 物理教育研究のための国際組織GIREP(物理教育研究国際グループ)は学校
(初等・中等学校)での、物理の授業(原子の授業、運動量の授業、物質構造
の授業、量子力学の授業、無秩序disorderの授業、等々)の研究会を1975年以
降、毎年のように開いているが、1983年5月にはハンガリーのバラトン湖畔で 
Entropy in the School(初等・中等学校でのエントロピーの授業)の研究会
を開いている。

 その第13論文は、Hard energy − soft energy と題する論文で、著者はフ
ランスの電力公社の広報課に所属するティンバル・デュクロ Timbal-Duclaux 
という人である。表題からはエコロジストのエネルギー論議だろうとの印象を
受けるが、著者の所属がフランスの電力公社であることから予期されるように、
原子力発電を手放しで礼賛する立場に立った論文である。

 頑固な反原発論者であると自覚する私の立場はかれの立場とは相容れないが、
かれの原発礼賛の立場から書かれたこの論文は、論点が非常によく整理され、
議論は明快で、私にエネルギーの質の視点からの考察の重要性を認識させ、そ
のことによって、私は私の認識を大いに深めることができた。

 かれが論じていないもの(論じようとしていないもの)・かれにとって思い
も寄らないことは、原子力発電の正常運転の持続のために必要な労働に伴う労
働者の放射線被曝の問題、運転に伴って発生する廃棄物とそれの処理の問題、
起こりうる事故の重要性の問題である。

 この論文の、概要を述べた前書きには、エネルギー関係の多くの出版物は、
問題を量の問題として扱っているが、種々のエネルギー源の質の問題がそれ以
上に重要である、と書かれている。エネルギー源の質(=時間的・空間的密度)
の問題(の自然科学的認識)は、現在の日本の原発論議の中で、原発擁護・推
進派の主張からも、反原発派・原発推進批判派の主張からも、ほとんど完全に
欠落している。

                  *
 2.お粗末な日本の原発推進派の議論 ― 原発推進派の学問的怠惰と
   道徳的退廃

 このティンバル・デュクロの論文に比べると、日本の原発推進派の議論は、
極めてお粗末である。何故こんなことになっているのか。

 1970年代初期の原発推進派は、原発に関して放射性廃棄物の廃出を原発のア
キレス腱であると認識し(核融合発電では放射性廃棄物の廃出はないとの前提
で)原発は核融合発電実現までの過渡期の技術であると位置づけていた。すぐ
にも(あるいはかなり近い時期に)実現すると期待していた核融合発電が、ほ
とんど無限のかなたへ遠のいてしまった現在では、このような位置づけは消え
去り、温暖化問題を奇貨として、原発推進派は原子力発電は(CO2を発生し
ないから)クリーンな発電であると宣伝するに至っている。

 このことは、日本の原発推進派が学問的にも、道徳的にも堕落してしまって
いることの、あられもないで証拠である。

 また、その後の原発推進派の議論の進め方は、電力会社と政府のなれ合いと
それへのマスコミの迎合に基づいて、「寝た子を起こすな」とばかりに反原発
派や原発推進批判派からの問題提起にまともに答えようとはせず、安全性を優
先させたら原発の作りようがないというような戯言(たわごと)を、保安の責任
を持つ政府の機関の責任者の地位に就いた(原発推進の立場に立つ)学者が臆
面もなく公言するような状況であった。

 反原発派や原発推進批判派と原発推進派との間に噛み合った討論を成り立た
せると「寝た子が起きてしまう」恐れがあるので、討論のない状況・討論を成
り立たせない状況を、原発推進の立場に立つ国・業界がその総力をあげて意図
的に作り出してきたのである。

                  *
 3.原発推進派のお粗末な議論が、反原発派・原発推進批判派に及ぼした
   負の影響

 このような状況は、反原発・原発推進批判派にとっても不幸なことであった。
対立者との深いレベルでの討論を展開して、自分たちの理論を深め高めるとい
う機会が持てなかった ― エネルギーの質の問題の重要性の認識に到達しえな
かった ― からである。

 それはまた、原発推進派にとっても、不幸なことであった。反対派との討論
によって自分たちの認識を深め、見識を高めるという機会を自ら葬り去ってし
まい、全く低レベルの議論を庶民を煙に巻くためにのみ展開するという学問的
堕落と、放射性廃棄物が環境汚染の凶悪な元凶でありうるという(自然)科学者
周知の事実を覆い隠して、「原発は二酸化炭素を排出しないからクリーンなエ
ネルギー源である」との見えすいた嘘を得々として吹聴するような道徳的退廃
に、自らを追い込んでしまったからである。
                                                         【 以下次号 】

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  ┃第┃15┃回┃信┃州┃大┃学┃物┃理┃会┃総┃会┃の┃概┃要┃
  ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛
 次回2012年の信州大学物理会総会は、東京での開催になります。その概要が
固まってきましたのでご報告します。毎回、年次報告、記念講演会と懇親会を
行いますが、講演会では、静岡理工科大学教授 吉田豊氏(7S)にお話いただ
くことになりました。幹事と開催日程は以下のとおりです。

  ▽ 第15回信州大学物理会総会 幹事 が決定 ▽ 

三上浩佳(文理10)、太平博久(6S)、近藤一郎(理学12S)、武原一記(22S)

(1)開催日(予定): 2012年5月26日(土)午後  
(2)会場: 大手町サンケイプラザ(東京・大手町)         
            ( http://www.s-plaza.com/map/index.html )
            〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-2 Tel.03-3273-2257〜9
             ※JR東京駅 丸の内北口より徒歩7分
(3)講演会:吉田豊氏(7S:静岡理工科大学 教授)
(4)会貴:10,000円(予定)

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  ○●○ 宮丸文章助教が文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞 ○●○
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 光物性研究室の宮丸文章先生が、平成23年度文部科学大臣表彰若手科学者賞
を受賞しました。この賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度
な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象と
し、表彰するもの。本年は82名が表彰されました。

 宮丸助教は、人工的な金属の微細構造体であるプラズモニック結晶の光学的
な特性の解明と、その応用可能性に関する研究に取り組んできました。プラズ
モニック結晶は、超高解像フォトリソグラフィ技術や、高感度微量物質センシ
ング技術などをはじめとする数多くの可能性を秘めている材料です。

 今回受賞対象となった研究では、プラズモニック結晶で生じる光の異常透過
の機構の解明を行っています。光の異常透過とは、ごく微小の金属開口を光が
通り抜ける際、従来の理論で予想される割合よりも何倍もの光が通ってくる現
象です。その現象が奇妙なことから、世界中で機構解明の研究競争が行われま
した。

 本研究ではテラヘルツ光を用いることにより、他の研究者に先駆けて、機構
解明に重要な実験結果を数多く報告してきました。また、プラズモニック結晶
における他のユニークな特性(偏光変化効果、2層系における異常透過)など
も発見しました。特に偏光変化効果は、現在熱心に研究されているメタマテリ
アル分野において重要なトピックになっています。 (物理科学科HPより)

●宮丸先生の研究室HP
(http://science.shinshu-u.ac.jp/~thz/kenkyusitu/kenkyusit_miyamaru.html)
●当サイトでの紹介
(http://www.supaa.com/071117miyamaru/index.html)

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     ■ 物理科学科の当世就職事情について ■ 
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         小竹 悟 (理学部物理科学科素粒子理論研究室教授/就職委員)
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    【 近年の就職活動がたいへん厳しい状況とはよく耳にしますが、その
    実際はどうなのか。就職委員としてご苦労されている小竹先生に寄稿
    いただいた。同窓会による支援のあり方ついても考えましょう。】
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  |)     就職委員になり3年余りになりますが、その間に感じた事や現 
'―o―,   状などを取り留めもなく述べさせてもらいます(個人的意見です)。
 (| \     
            ◎ “就職難”としてに現れた「数字」には三つの理由
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    
 3年前の9月にリーマンショックが起こり、企業の採用活動にも少なからず
影響が及びましたが、私がそれを実感したのは、大学(物理科学科)に説明に来
て頂いた会社の数がそれまでの3分の1程に減少した事によってです。

 わざわざ説明に来て頂かなくても採用枠を用意してもらえればそれで構わな
いので、これは大した事ではありませんが。リーマンショックにより手控えら
れてきた企業採用活動が徐々に回復してきたなと感じられてきた今年3月、東
日本大震災が日本を襲い、そして諸外国の経済状況の皺寄せを被った形での円
高が進行し、以前にも増して厳しい状況に陥っています。

 震災は今年の就職活動に、例えば開始時期が遅れるなどの、大きな影響を与
えました。学生もそれを感じ取ってか、今年は学科推薦に関する問い合わせが
例年よりも多くありました。

 前回のメルマガ会報の中で、学部卒業者の進路先で「未定を含むその他」が
一昨年度の3名から昨年度は8名と急増し就職難を反映している模様だと述べ
られています。理由として、(1) 経済状況悪化による採用手控え、(2) 調査方
法の欠点、(3) 学生の熱意、がありそうです。

 (1) は仕方無いのですが、回復傾向にあったのが再び落ち込んでしまうのは
残念です。(2) はこれまでもそうであったので理由にはなっていないのですが、
進路決定届けの書式に不備があった事です。企業等への就職が念頭にあったた
め、個人で行うような職種に就いた場合には、書き込む欄がなく未定扱いにな
っていました。今年度からはこの点を改めた書式に変更します。

 (3) が一番問題の点です。他学部との合同の会議で就職関係の話題になると、
理学部の就職意識の低さ(学生のみならず教員も)をいつも感じます。これは信
大に限った事ではなく全国の理学部に当てはまるという事なのですが。社会に
実際に使われる事を常に意識した工学部などと異なり、理学部では自然の探求
という知的好奇心に基礎をおいており、ある程度は仕方無いという面はあると
思います。

            ◎ 学部4年生と修士2年生では、内定時期に大きな差
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     
 しかし、卒業すれば社会に出て活躍していかなければならないのですから、
就職を無視する事ができないのは当然です。この就職意識の差、熱意、やる気、
が就職結果に大きく影響します。本学科でも学部4年生と修士2年生には歴然
とした差があり、これは修士だから就職に有利だという事ではなく、就職する
んだという意識の差だと思います。最終的な就職決定率でも修士2年生の方が
よいのですが、いつ頃内定が出たかという点でも大きな差があります。去年か
ら毎月の進路状況の調査をしており、8月末(9月初め)で

  ┌───────────┬──┬──┬──┬──┐
  │           | ア | イ| ウ| エ|
  ├───────────┼──┼──┼──┼──┤
  │●2011.9.5  学部4年生| 22 |  2| 11|  1|
  │           修士2年生|  1 |  0| 14|  9| 
  ├───────────┼──┼──┼──┼──┤
  │●2010.9.30 学部4年生| 23 | 16| 18|  8|
  │           修士2年生|  2 |  0| 12| 11| 
  ├───────────┼──┼──┼──┼──┤
  │●2010.8.31 学部4年生| 23 | 11| 18|  3|
  │           修士2年生|  2 |  0| 12| 10| 
  ├───────────┼──┼──┼──┼──┤
  │●2009.10.2 学部4年生|  23| 17|  8|  5|
  │           修士2年生|   2|  1| 11|  9| 
  └───────────┴──┴──┴──┴──┘
  ア:進学希望者,イ:進学希望者のうちで決定(内定)した者
  ウ:就職希望者,エ:就職希望者のうちで決定(内定)した者

 という感じです(一昨年は時々しか調査しなかったので、10月初めのデータ)。
この時点では修士2年生の大部分が内定しているのに対して、学部4年生の大
部分は決まっていません。

 今年の修士2年生の就職希望者14名のうち5名が未だ決まっていないという
のは例年になく多い数字で(学部4年生の11名中10名も)、これは震災の影響か
も知れません。今年の学部4年生の進学希望者で決まっていない者が多いのは、
工学系研究科から理工学研究科への名称変更のために入学試験が未だ行われて
いないためです。

            ◎ 様々なサービスが提供されているが活かしきれていない
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   
 昨年11月9日に同窓会の支援の下に物理科学科就職支援セミナーが行われま
した。同窓会の皆様どうも有難う御座いました。学部3年生・修士1年生を主
たる対象としましたが、事前の宣伝が徹底しなかったためか、参加した学生は
11名に留まりました。

 この中には既に就職が内定した修士2年生も含まれており、また学部3年生
の参加者はなんと0でした。これに危機感を感じて、急遽11月16日に物理科学
科3年生向け就職ガイダンスを開く事とし、参加呼び掛けも結構したのですが、
参加者は3年生の半数に満たない17名でした。

 私が学生だった頃に比べて今の学生には大学から様々なサービスが提供され
ています。羨ましいと思えるのですが、今の学生はそれを上手く利用しようと
していません。例えば就職ガイダンスに関しても、キャリアサポートセンター
が主催するものの他に、理学部主催や物理科学科主催のものなどがあります。
また、理数学生応援プロジェクトでは、学生からの様々な質問に学生が答える
というサイエンスラウンジというものをやっているのですが、閑古鳥が鳴いて
います。

 利用者の要望に合ったサービスを提供していないからだとう批判もあり得ま
すが、それ以上に学生の熱意・やる気の無さが感じられます。

 学生の多様化(質の低下を婉曲的に表現する業界用語)に対応するためにカリ
キュラムの改革を現在検討中ですが、そこでも議論の行き着く先は`やる気の
無さ'です。一人一人の学生を見た場合にやる気が無いという事はそれ程ない
のですが、集団として見ると顕著に感じられます。カリキュラム改革によって
良い方向へと変化させて行きたいものです。そしてこれが就職活動へもつなが
っていくと思います。
                   ※

 物理科学科では,学生に物理的な考え方(問題処理能力)を身に付けさせると
いう教育を行っています(目標としています)。個々の知識は忘れてしまっても
考え方は残り、それこそが社会に出てからも役立つ能力である、という事です。
 
 また、社会は人の集まりですから、人とのつながりも大切です。昨年の就職
支援セミナーでも人間関係重視が述べられています(メルマガ会報0032号参照)。
        
 今年も同窓会の支援の下に物理科学科就職支援セミナーが行われる予定です
が、就職支援のみならず同窓会の先輩達との交流という観点からも参加者を募
ってはどうかと思います。同窓会の皆様、学科長、どうぞ宜しくお願い致しま
す。

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 □■□ ┃学┃部┃生┃3┃人┃と┃昼┃下┃が┃り┃の┃雑┃談 □■□
     ┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━
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    【 最近の学生はモチベーションが低いとか他人とのコミュニケーショ
    ンがへただ……、などと評されることが多いですが、わが物理科学科
    生の実態はいかがであろうか? とある日の午後、4年生3名(A君:
    光物性研究室、B君:高エネルギー実験研究室、C君:宇宙線実験研
    究室)にお集まりいただき、気になる質問をぶつけてみました。親か
    らの仕送り平均が減少しつづけ、就職が厳しいなか、どのような考え
    で松本での学生生活をおくっているのか? 以下はそのやりとり。】

 * * * * * * * * * * * * * *  /@) ⊃\/|  
                                                         > ⊃⊃/\|
☆ 信州大学を選んだ理由は何ですか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
A:第一志望ではなかったんですがセンター試験の関係で変えちゃいました。
B:地元を出る気はなかったのですが、センター試験の結果無難な線で落ち着
  くこことしました。(笑)
C:加速機(サイクロトロン)のある筑波を志望してたんですがセンターの結
  果、やむなく(苦笑)信大の宇宙線科にしました。

☆ 「物理学」への印象は入学前と後で違いがありましたか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
A:想像していたのとはかなり違ってました。法則に従うのではなく法則を導
  くための式であったりするんで高校の時とはえらく違うなーって。(笑)
B:特に式が難しい。答えを見つけていくのではなく、答えを導くためにはど
  うするか。当初ついていけない感があった。高校とはやっぱり違ってまし
  たね。
C:最初本当につまらなかった(苦悩)。あまりに実用性に欠けるような印象を
  受けました。自然法則から式を導きだすので、時間がかかるし実用化への
  道が見えにくいと自分では感じました。特に力学Tでは完成式にいたるま
  での任意の仮定点の理由が分からなかった。分からないことが多すぎて面
  白くなかったなー。(遠くを見つめる)
A:最初のうちは質問にいっても分からない。説明されてもおっつかない。大
  学って不親切な所なんだな〜って、正直、不満でした。(苦笑)
B:分からないものがあっても、授業を受けていると分かる部分も出てくるの
  で、自然に理解できたような気がすることもある。言わば経験値の差って
  やつですね。(微苦笑)
C:一年目、理解できなくて単位を落とし、再履修すると前のことがよく分か
  ることもあるんですよ。災い転じて福をなすってやつかな?(一同大爆笑)

☆ 今の研究室を選んだ理由を具体的に言ってもらえますか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
A:量子力学、宇宙線,光子、物性物理学って素人さんに分かってもらえるか
  どうかな? SF好きな人なら定番ですよね(笑)
B:机上よりも実際に実験系を選びました。高エネルギー、宇宙線、テラヘル
  ツ、SFみたいですよね。粒子砲とか言ったら飛びついてくるんじゃないで
  すか? 就職を考え行きたい企業に合わせ、第一志望はテラヘルツ、高エ
  ネルギーは第二志望、第三志望に宇宙線を選択しました。結構戦略家でし
  ょう?(苦笑)
C:そうした情勢は年によって違うと思うよ。
B:テラヘルツは就職につながる。特に工業系では役に立ちます。
C:宇宙線、高エネ、どっちでもよかった。加速機の見本はあるが実際のデー
  タは名古屋大学から入手してます。(苦笑)
B:卒論はまだですが、それに向けて実験。それだけを研究していないと実際
  には辛いんですよね。
C:研究室を選んだとき、少し前まで後悔してましたが、今は後悔していない。
  実際研究は楽しいし指導教授もいいです。

☆ 振り返って「こうならよかった」ということは何かありますか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
A:教授が何を研究しているのか、学生がどういうスケジュールでどんな研究
  をしているかを分かりやすく公表してほしい、研究室に直接聞けばいいけ
  ど、授業の時に研究生が説明すれば、意欲がわくと思います。
C:つながり(学生間―研究室―教授)がほしいですね。入学式の時、歓迎飲
  み会も無かったし研究室にぶらっと行って訊きたかったな。4年生になっ
  てはじめてつながりが強くなってゆくんです。
A:具体的にコーディネートする組織がOB会(同窓会)にあるとうれしい。
  実際は同様の組織が自治会にもあるのだが、機能していないような感じ。
  私たち有志で、3月に店を設定し、入学式のガイダンスの時に新歓のチラ 
  シを作って配布した。正直しんどいですがいい体験にはなりました。
B:が、それは結局赤字になり、最後は自腹で一万くらい払いました。最近は
  及び腰になる傾向です。
A:新入生歓迎会は大学でやる(構内は原則飲酒禁止?)よりもちゃんとした
  店でやったほうが第一印象は良い。先生が中心となることはあまりない…
  ……当然か?
B:1年生のガイダンスは書類提出のあとにあり、その際に配布すれば?
C:同窓会も含め何らかの実行委員会をつくるるのはどうでしょう?

☆ 就職・進学をテーマにしたいと思いますが・・・
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
A:通常、3年生くらいから就活。私はやりたいこと−自分の家でも出来る事
  ―があって、就活はあまりしなかったな。友人はいたが、その友人と話し
  ていて気がつく事もあります。
B:研究が好きなので卒業研究は苦にはならないのですが、なあなあになって
  いて、今から就活は追いつかないのではと不安になります(苦笑)。大学院
  に行ってその間の時間を稼ぐのも一手かなあって? 特に親には相談でき
  ないかと思います。自分の人生だし。大学院に進学することにしました。
C:教職を目指しています。今年か来年かは不明?ですが(微苦笑)3年間ず
  っと基礎学問をしていたので、大学院進学も考えています。
A:大学院生なら100%就職可能ですか?
B:就職もせず、院生も望まない学生もいるんです。自主留年、就活留年、両
  方あるみたいです。

☆ 大学および同窓生(OB)への要望はありますか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄	
A:90分授業は長すぎる! 高校のように50分位が丁度よいのでは?
B:特に不満はない。
C:授業が分かりやすいものばかりならさほど苦にならない。数人の先生は非
  常によく準備をしてくれて分かりやすい。
A:点数や評価は人によって甘かったり、厳しかったりですがね。(笑)
B:シラバス(授業の進度、構成)の公開がまちまちでHPやブログで紹介して
  ほしい。
C:新しいメディアがあるのだから学内だけでもいいので情報を公開してほし
  いな。

☆ 同窓会への感想はどうですか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
A:学生間では、登録者が少ない。普段はあまり関心がないようです。
B:同窓会や総会などを開いても世代間の隔たりがあったりして参加しても面
  白くない。
C:学生の方からは卒業生に対して近寄りがたいものがありますね。
A:現役生と卒業生では微妙に話がかみ合わない。年の差もあるだろうけど。
B:もっと在学生に分かる形でアピールが必要ですね。
C:そう、いまいち存在感が乏しいですよね。(一同苦笑)

 * * * * * * * * * * * * * *

【 あとがき 】
 以上多岐にわたって学生たちと質疑応答や意見交換をして、彼らの姿が見え
てきました。言える事は、状況の変化はあるが、昔も今も真摯な気持ちで学問
に向かい、それを真剣に社会で活かそうとしている態度は変わらないというこ
と。一安心しました。今は、学習機器や携帯・PCなど教育設備や情報交流の道
具が発展してきているので、ある意味、昔より幅広く学究し、学生生活をエン
ジョイしている様に思えました。私達OBも、こうした現状を見据え、学生た
ちをどう支援すればいいのか、具体的に考えるべき時のようです。世代間を越
えた連帯を築き上げる努力を続ける事を再確認したいと思います。  (藤)

======================================================================
     ■ 父・松崎一のこと ■    
----------------------------------------------------------------------
                   松崎 泉 (故 松崎 一 長男)
----------------------------------------------------------------------
 ☆ ☆    格式高い物理の同窓会報に、今年2月に他界した父 松崎一 の
  \☆\  ことを書いて欲しいと不肖の息子である私に、しかも私が極度の
 ☆\\\  筆不精と筆恐怖症であることを知りながら依頼をしてこられた同
   \\\  窓会会長の根建さんを恨めしく思いながら重い筆をとって、お礼
       のご挨拶かたがた思い出をつづらせていただきます。
      
 今まで信大物理同窓会の皆様には、信州大学で教鞭をとっていたときから、
退官時、その後の様々な集まり、また皆様お一人お一人のお付き合いでもお世
話になり、楽しませていただき、沢山の思い出を作っていただきました。

 また、この5月には宮地先生をはじめ信大物理同窓会の皆様が中心となられ、
父の偲ぶ会を盛大に催していただきありがとうございました。

 父の思い出を語っていただき、冊子へのご寄稿も多々いただきました。また
今までもこの同窓会報をはじめとして、多くの方が父の良いところばかりを選
んで書かされるという辛さを乗り越えて、勇気ある筆を執ってご寄稿いただい
ており大変恐縮しています。

 さてその父ですが、家庭では意外と亭主関白で身の回りのことは母に頼りき
りだっただけに7年前に母に先立たれたときは、ショックで父も寂しい思いをし
ておりましたが、その後何度か転倒したことも影響したのか徐々に記憶も遠く
なってきたため、松本を離れ私の自宅近くの病院に転院させ、自宅に連れ帰っ
ては一緒に過ごしたりしていましたが、その後はあまり悲しみを引きずらずに
過ごしておりました。いいボケ方で長生きもできたと思うようにしています。

 そんな状態で皆様にはご挨拶もついしそびれたままになってしまい大変申し
訳なく思っております。

 子供たちには、小さい頃は厳しい父でしたが、反面「出来の悪い子ほど可愛
いというからな」と言いながらなにかにつけ心配してくれていました。孫が出
来てからは世の好々爺よろしく、よく松本に遊びに来させては可愛がってくれ
ました。

 その孫が少し大きくなった頃、「相対性理論」の極々初歩の入門書を読んで
そのかじりかけの知識を振りかざし、父に話したところ思うような答えが帰っ
てこなかったため、「おじいちゃんの知識はニュートンで止まっていてアイン
シュタインの理論の補完がない」と自分のことを棚に上げて生意気なことを言
っていましたが、このあたりは隔世遺伝を感じています。

 私も小さい頃父に、ロケットはどうして飛ぶの? と、たずねた時に、「人
間が宇宙で屁をするとそのまま宇宙の果てまで飛んでいく、ロケットも同じだ」
との答え。では宇宙の果ては? に、「モヤモヤっとしている」、そのモヤモ
ヤの先は? 「もっとモヤモヤっとしている」、 その先は? 「もっともっ
とモヤモヤっと・・・・」??? 気を取り直して、それではどうやって地球
は生まれたの? にも「そのとき生きていなかったから・・・」、なんだ結局
解らないんじゃないかと落胆したことを子供心に記憶しています。

 斯くの如く息子にも孫にもこの「物理の先生」は愛想をつかされていたくら
いですが、にも拘らず、「松崎先生の影響を受け物理の道に進みました」と言
う奇特な方もおられましたから、そういってくださるだけでもありがたいこと
と感謝しております。

 話は変わりますが、父のことで不思議に思うことのひとつにこんなことがあ
りました。

 父がいろいろな話を皆様にしたときに、こんな楽しい話を聞かせてもらった
とか、あとあととても感銘を受け 良い思い出が出来ました、ということをよ
く耳にします。

 私も傍らで聞いていて、全く同じ話を知り合いの何人かにしたこともあった
のですが、一様に「あっそう」で終わり。何が違うのだろうと考えた末に、
“信州大学教授”という印籠が父をここまでカリスマにさせているのだと結論
しました。このことを父に話すと「それも然り」と言っていたので本音をもら
したなと思っています。

 父がここまでやってこれたのは、そういった誤解を誤解と思わず、お世話に
なった、良くしていただいたとずっと思い続けてきていただいた皆様に支えら
れたからこそと思っております。

 取り留めのない話ばかりですが、あらためて長い教師生活を無事送ることが
できましたこと、生涯皆様から温かく接していただいたことに感謝申し上げま
すとともに、父と母共に最高の幸せな人生を過ごさせていただくことができま
したこと、私ども家族の思い出として深く心に留めて大切にしていきたいと思
います。ありがとうございました。
                           平成23年9月27日

======================================================================
     ■ 天白一馬先生のこと ■    
----------------------------------------------------------------------
      輿 恵理香 (こし・えりか、信州大学地域社会イニシアティブ・
            フォーラム副代表、大学院博士課程/松本市在住)
----------------------------------------------------------------------
    【 文理改組と教養部新設のころ、また、学園紛争が吹き荒れていたこ
    ろに教養部長を勤められた天白一馬先生が逝去されました。8月11日、
    市民タイムスの連載欄に掲載された、信大大学院生の一文を、ご本人
    の了解のもと転載させていただきました。安らかにお眠りください。】
----------------------------------------------------------------------
    人       天白一馬先生は、昨年12月19日に99歳で永眠された。
   / \ ※    
  (∴∵∴)※※     一馬先生を偲ぶ会がヒマラヤ杉の会の主催で7月17日、あ
    ̄ ̄ ̄※※     がたの森文化会館で開催された。この日は、一馬先生の100
         歳の誕生日でもあった。

 一馬先生は信州大学の名誉教授で、繊維学部から1965年ころ松本キャンパス
へうつられた物理の先生である。数年前まで車の運転をされ、日記を欠かさず
つけられ、パソコン操作、アコーディオン演奏など多彩な先生であった。

 私は、十数年前、夫人の英子先生を通してお目にかかるようになった。10年
前に英子先生と数人で発足した短歌の会「泉会」に一馬先生は、毎回、歌をつ
くって提出されていた。一馬先生の歌には、それまであゆんでこられた人生の
重みが言葉にうつっていた。

 偲ぶ会では、一馬先生が書き記した資料数点が配布された。また、英子先生
はじめおおくの方々が思い出を語り、一馬先生の99年の人生のエピソードにふ
れることができた。さらに、音楽好きだった先生のためにシャンソンのコンサ
ートが催され、英子先生は一馬先生の分まで全身で聞いたとおっしゃっていた。

 英子先生は私の華道・茶道の師であり、いつも明るく厳しく楽しい先生で元
気をいただいている。その先生が、少しお痩せになり、がんばって元気を出し
ているようにみえていたのだが、偲ぶ会へ参加させていただき、先生には大勢
の応援者がついていると思った。

 配布物の中に目をひく資料があった。今から31年前の昭和55(1980)年、
「もしひと度大事故が起こって、原子炉が大きく壊れたり、崩れたり(地震、
化学爆発など)、炉心が融けたりした場合には(大量の放射能物質が空中、地
下水、海洋へと漏れ出して、想像するも難しい程の惨事となることは明らかで
す」と、すでに今日の原子力発電の危険性について警鐘を鳴らし、原子力発
電の問題に強い関心を持ってほしい″と訴えていた。

 資料の最後には、辞世があった。
               

    人生も卒寿を過ぎれば儲かりもの 迎えがきたらはいさようなら
      
    冥土旅 他人に知られず騒がれず 無限の時空へ静かに消える

    数々の巡り合わせに恵まれて 拙き人生明るく生きる

    わが旅は告別式やお別れ会 一切望まぬ彼の世への旅

    細永きわが人生の行路にて英子との縁何より感謝


 氷上をすべらない考え方の半面、優しさにあふれている一馬先生を、私はあ
らためて尊敬した。


    天のぼる 白きかがやく一すじの 馬のゆくみち あおぎみるわれ 

                              こしえりか

======================================================================  
                 〔 リレーコラム・第1回 〕
----------------------------------------------------------------------
             ■ 卒業生が出ていく日本社会の変化 ■ 
----------------------------------------------------------------------
                    近藤一郎(理学12S /物性研究室 東京都世田谷区在住)
----------------------------------------------------------------------
 _===_    当メール会報の読者の平均年齢はけっこう高いので、本小論の
 ( ^^)   直接の読者は少ないとは思う。しかし、そういう年齢の子供がい
 o-o-))  る読者もいるだろう。大学生の就職率が悪い背景にあるリーマン 
      ショックを超える不景気を乗り越えるためには、日本人の働く意
            識を変えるという時間のかかるプロセスを経なければならない。
企業の新卒採用では意識の変わっている者から採用されるだろう。

 私の娘は高三で只今受験勉強中である。娘が大学を卒業して就職するころ、
外国企業と外国語で取引をすること、外国で働くこと、外国企業に就職するこ
とが当たり前の世の中になっていると思う。それに備えて今後社会に出ていく
若者には英語によるコミュニケーション能力はもとより、ダイバーシティーマ
ネジメントに溶け込める対応力が必要になってくる。本小論ではそうなる背景
として、日本社会が大きな歴史の曲がり角を曲がったことについて述べる。
        
                 ※

 日本の人口は歴史が始まって以来常に増加基調にあった。戦争直後に約7200
万人だった人口が現在1億2800万人まで増加したことが、日本の経済成長を支
えてきた。ところが日本のGDPの拡大傾向が今後は長期に渡って低落傾向に切
り替わる。総人口が減少に転じるとともに、年齢構成においては急激な高齢化
を伴うからである。高齢化が重なることによって、一人当たりの消費を増やし
て全体の減少分を補うという対策の有効性が失われてしまった。日本は長期的
に内需縮小時代に入ったのだ。失われた20年間は、成長から縮小へゆるやかに
移行したために生じた経済成長がフラットな時代であった。

 高度経済成長が終わってからこういう状況が明らかになるまでの20年間、日
本の経済活動を担う企業群の構成は基本的には変わらないできた。日本は中小
企業の国であって、全体で421万の企業(会社+個人事業主)のうち99.7%が
中小企業に分類される(中小企業庁、2006年)。会社だけをカウントすると
149万社あって、うち99.2%が中小企業である。雇用においては6割を中小企業
が支えている。

 ここ20年間で、大企業は生産工場ごと海外移転させる形で国際化を進めてき
た。一方で中小企業の国際化は進んでいない。これまでは低成長とはいえ経済
成長が続いてきたため、景気回復への期待から抜け出すことができないでいた。
ところが、人口構造の変化による内需縮小時代を迎えた状況下ではもはや猶予
はない。中小企業も自らの生き残りをかけて国際化に踏み出さなければならな
い。こうなるとどこに就職しても海外市場との取引が避けれれなくなる。東日
本大震災がこの変化を加速させる。

 過去を振り返ると、明治維新後の日本は外国から軍備を購入するために、生
糸や日本茶を輸出して外貨を稼いだ。それとともに明治初期にはさまざまな伝
統工芸品を欧米諸国へ輸出した。代表的なものは、象牙や貝を素材とした芝山
細工や、寄木細工などの木工品、横浜焼と称された眞葛焼や有田焼など陶磁器、
駿河・会津などの漆工品であった。それらのできばえの精緻さや芸術性の高さ
ゆえ、欧米各国で大変な人気を呼んだ。戦後、大企業による家電製品や自動車
などの輸出が日本の経済復興を引っ張ったことに対して、明治期には中小企業
がその役割を果たしていたのだ。

 このときは輸出先は欧米の列強国であった。時代がめぐり当時欧米列強の植
民地であったアジア各国が世界の経済成長を牽引している。日本の周辺にそう
いう高級工芸品を受け入れる市場を形成しつつある。今後日本の重要なお客様
にアジア新興国が加わる。

 日本がもたもた足踏みしていたここ20年間、日本を除く世界、なかでもアジ
ア各国ではかつての日本のような高度経済成長が起こっていたのだ。一人当た
りの所得も増えている。しかも日本に比べるとさらに貧富の格差が大きい傾向
にある。そのため各国の富裕層(世帯可処分所得が年間3万5000ドル以上)だ
けに注目すると、その消費力が平均的な日本人を超えつつある。

 藻谷浩介氏はベストセラーになった『デフレの正体 経済は「人口の波」で
動く』(角川書店 2010)の中で、日本を「ご近所の宝石屋」に喩えて、ご近
所(アジア近隣諸国)が豊かになればなるほど儲かる仕組みになっているとい
う。もはや一人当たり購買力平価から見たGDPでは、2010年に日本を抜き去っ
た台湾や、同年に9割の水準にまで追い上げた韓国では、日本製品の中でもブ
ランド価値が高い軽工業品が買われ始めているという。今後アジアの成長が続
いたときに、日本の重要な輸出品となるのはフランス製やイタリア製にデザイ
ンや品質で負けない軽工業品になるだろう。日本の活力を維持するためには、
再び中小企業が外貨を稼ぐ時代を迎えなければならない。

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 ┃イ┃ベ┃ン┃ト ┃ご┃案┃内  
 ┗━┗━┗━┗━ ┗━┗━┗━   
----------------------------------------------------------------------
◎理学部授業公開
---------------------------------------------------------------------- 
 信州大学理学部では、授業を一般向けの公開授業として開放し、学生と一緒
に受講する機会があります。ことしは、下記のように実施されます。

■ 授業公開期間:10月3日(月)〜7日(金)
■ 授業公開科目:科目は↓
(http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/science/event_sub/uploaddocs/2012_koukai.pdf)
■ 受講方法:事前の申込みは不要。当日、A棟1階学生支援グループ窓口にて
  受付を済ませてください。

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  ■ 暑気払い会に参加しました ■     
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    斎藤 秀夫(理学2S/電子研究室・NPO法人CWW理事/東京都在住) 
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  ∩ ∩        去る7月27日、信大物理同窓会の暑気払い会が松本市
☆(*^−^)☆     大手の'しづか'で行われました。今回、参加者は7名で、
┏━○━○━━━┓ 遠くは広島、東京からも参加がありました。うち6名は
┃暑┃気┃払┃い┃ 昨年の暑気払い会にも参加した方で、宮地先生、赤羽さ
┣━ ━\/━ ━┫ ん(文理10)、両角さん(文理11)、高藤君 (2S)、小林君
┃会┃@┃松┃本┃  (2S)、私斎藤(2S)、そして新しく臼杵さん(8S)が参加さ
┗━┻━┻━┻━┛  れました。

 宴会は赤羽さんの挨拶、乾杯で始まりました。'しづか'の料理は美味しく、
盛んに食べて飲みました。飲むほどに、話はいろんな面に及びました。宮地先
生の大学紛争時代、学長時代のお話などもお聞きしました。ここで、先生が話
してくださった大学紛争の時の思い出話の一つをご披露いたしましょう。

 大学紛争の時、教授会が開かれていて、会議室の窓から外に目をやると、向
こうに見える建物の屋上に、ヘルメット姿の男が何人もいるのが目に入り、い
よいよ学生が迫ってきたと、教授たちがうろたえたそうです。しかし、後でわ
かったことですが、それは学生ではなく、工事現場の作業員であった。という
今では笑い話のようなことが実際にあったそうです。
 
 当時、大学構内はそれだけ緊迫した空気に包まれていたということでしょう。
(そんな時代もありましたねー) 実は私は昭和42年の入学(2S)で、大学紛争
の時は学生だったのです。

 また、宮地先生は現在、お一人で生活されていらっしゃいますが、お若くお
元気なことに関心が集まりました。また一人一人が自分の学生時代や近況など
を話したりしました。飲み物はビールからお酒に変わり随分飲みました。いつ
のまにか20時が過ぎお開きとなりました。

 幹事を引き受けて下さいました赤羽さんありがとうございました。

 出席して思ったのですが、宮地先生、先輩方は大変に気さくな方ばかりです
ので、もっと同窓会の方々が気楽に参加されたら良いのにと思いました。

 暑気払い会で、宮地先生から2冊の句集を頂きました。宮地先生の句集「渤
海の使者」(角川書店)と、2年前に亡くなられた奥様の「さわらび」という
句集です。後で句集を読んでみました。先生は1925年生まれですが大変にお若
く感じます。この若さの一つの秘密は、俳句を作られているからではないかと
思ってきました。先生は20年少し前の定年近くなった頃に、奥様に勧められて
始められたとのことです。

 私は先生が俳句を始められた歳に近くなりました。良い機会だと思い、私も
俳句に挑戦してみようかなと思ったのですが、大変に奥が深いようです。

 先生の俳句を一句紹介させて頂きます。句集の名称が採られている句です。

  能登薄暑昔渤海よりの使者

 ・能登半島に立つと、遥かに朝鮮半島が望まれる気分。こんな薄暑の
  いい日和には、今にも渤海の使者がやって来そうな幻想に駆られる。
                     
======================================================================   
  ┏━┏━┏━┏━┏━┏━┏━┏━┏━┏━┏━ ┏━┏━┏━
   ┃大┃塚┃直┃彦┃の┃ウ┃ィ┃ー┃ン┃便┃り ┃第┃9┃回
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  ◎3泊4日の夏休みの旅
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              大塚 直彦(理学24S/国際原子力機関・IAEA勤務)
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 この4月から住み始めたうちはベートーベンの「遺書の家」の近くというこ
ともあり、少し前までは夏休みを楽しむ日本人が散策している姿を近所で良く
見かけました。時々、道案内を差し上げることもあるのですが、お一人、見覚
えがあるなという方と少し話し込んだところが、松本市音楽文化ホールのオル
ガニストだったのには大変に驚きました。

 日本の会社では夏休みは夏期休暇として数日付与される場合が珍しくないと
思いますが、私の職場では夏休みとしての休暇の付与はなく、毎月決まった日
数付与される休暇を蓄えて夏休みとして使います。長い人だと1ヶ月以上の夏
休みを取る人もいますが、そんなに長いと休暇後に仕事を思い出すのに時間が
かかるのが面倒なので、私の夏休みはせいぜい4〜5日といったところです。

 この8月は中旬頃まで気温が上がらず、夏休みを取ろうという気分にもなか
なかなりませんでしたが、そうはいってもやはり一度くらいどこかに出かけた
いものですから、8月後半に3泊4日で出かけることにしました。 
                             (19SEP.2011)

  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ■ 行き先はザルツカンマーグート(Salzkammergut)
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     o     色々と悩んだ挙げ句、オーストリア国内のザルツカンマー
   ⊂二二⊃   グート(Salzkammergut)を行き先に選びました。
  ⊂|   |⊃  
   |___|     地名Salzから分かるようにこの地域は塩との関わりが深く、
   ()()()()()   その歴史は古く先史時代に遡り、またハプスブルク帝もこの
        地方の塩の生む利益を重要視していたようです。(オースト
        リア人にも実在の主人公にも決して評判が良かったとは言え
ない)映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台であることも、日本人に
とってのこの地域の知名度を上げています。このザルツカンマーグート地方の
ヴォルフガング湖畔(Wolfgangsee)に3泊宿を取ることにしました。

 私は長距離の移動は車を極力避けるようにしていて、今回もウィーンからザ
ルツカンマーグート地方への拠点であるザルツブルクまで、ウィーンとミュン
ヘンを結ぶオーストリアの大幹線を特急列車で移動しました。

 ウィーンからザルツブルクまでおよそ320 km、正規運賃が47.50ユーロ(約50
00円)です。この距離を東海道線で東京から測るとおよそ岡崎辺りになるよう
で、その運賃が5500円程ですから、この程度の距離では日本もオーストリアも
鉄道の運賃には大きな差がないようです。

 ただ、オーストリアの鉄道(オーストリア連邦鉄道OBB)の良いところは特急
料金の設定がないということで、これは運賃さえ払えば追加料金なしで特急列
車に乗れることを意味します。

 これが、例えば松本から「あずさ号」や「しなの号」に乗ろうとしてもそう
はいきませんで、かなりの特急料金を取られます。更にオーストリアには
Vorteil SCard(お得カード?)というものがあり、99.90 ユーロ(1 万円強)を
払ってこのカードを手に入れると、オーストリア全線の運賃が1年間なんと半
額になってしまいます。このように割引制度が充実しているせいか、鉄道はな
かなかの賑わいです。
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ■ 登山電車とハイキング
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ザルツブルクからは郵便バス(Postbus)と呼ばれるバスで、ヴォルフガング
湖畔のザンクトギルゲン(St.Gilgen)に参りました。ここはモーツァルトのお
母さんの生地であり、またモーツァルトのお姉さん(ナンネル)が結婚後に過
ごしたところでもあります。予想した以上にお天気が良く気温も上がったため
に、湖畔に降りてみると大勢の人が湖に入ってはしゃいでいるのが見えました。

 バイオリンを弾く少年モーツァルト像と小さな噴水のある役場の前を降りて
いくと船着き場があり、そこからは船で宿屋のある湖畔の小さな集落に向かい
ました。山の斜面に続く湖畔の一部は切り立った崖となっており、20m はあり
そうな崖から子供達が湖面に飛び込んでいるのには驚きました。

 船を降りてから湖畔の道を宿屋へと歩く途中、水遊びができそうな浜辺は相
撲の枡席のように、柵でことくごとく区切られているのが目に入りました。各
区画ごとに芝生の庭のように綺麗に手入れがなされており、「○○旅館宿泊客
専用」という札が立っています。職場のオーストリア人の話では、このような
湖畔の仕切りはヴォルフガング湖に限ったことではないようです。

 3泊4日の間は主に上司が貸してくれたままなかなか読めなかった"Memoirs 
of a Geisha"(Penguin Readers版)という本を読み、それ以外には登山電車と
ハイキングを楽しみました。

 登山電車は1893年開業のシャーフベルク(Schafberg)鉄道と呼ばれるもので、
2本のレールに加えてラックレールと呼ばれるぎざぎざのレールに車両の歯車
がかむという本格派です。

 急斜面に敷かれたレールを、石油式或いは石炭式の蒸気機関車が標高1700m
以上のところまで客車を押し上げて行きます。頂上駅から少し徒歩で上がると
山小屋とホテルが1軒づつあり、そこからヴォルフガング湖はじめザルツカン
マーグートの湖をいくつも眺めることができます(ちなみにヴォルフガング湖
の大きさは諏訪湖とほぼ同じ)。頂上の一部は数百メートルの絶壁に囲まれて
いるのですが、そこに殆ど柵らしいものが施されていないのには少々肝を冷や
しました。

 ハイキングの方は、宿屋から湖畔沿いにフュルベルク(Furberg)というとこ
ろまで歩きました。この辺りの湖畔は、例の子どもが湖面へ飛び降りる断崖と
なっているため、その道は断崖を迂回する峠道となり、暑い中、汗をかきなが
ら湖畔からの坂道を登りました。
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ■ 聖ヴォルフガング
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 この道は聖ヴォルフガングに関係する巡礼道となっているようで、ところど
ころ昔話の書かれた立て札がありました。ドイツ語に明るくない私は木版画風
の挿絵を楽しむ程度でした。場合によってはその札を写真に撮って帰宅してか
ら辞書をひくようにしましたが。

 峠を越えると、その聖ヴォルフガングが杖をついて水が出たという泉の小屋
があり、そこで喉を潤すことができるのは峠を越えた身にはありがたいもので
す。その小屋の近くのFalkensteinという小さな教会がこの峠道の見所で、近
くではウィーン大学の人たちが何やら発掘作業を行っていました。

 教会から少し行くと急な下り坂がはじまり、そこから見下ろす湖畔の景色は
素晴らしいものです。道中、林床のそこここに野生のシクラメンなどが道ばた
に咲いていて目を楽しませました。

 日本から旅行にみえてこの地域に3泊もするのはなかなか難しいと思います
が、ヴォルフガング湖自身は日本発のツアーにも良く組み込まれるところなの
で、機会があればぜひ一度訪れていただければ、と思います。

 ●『OB/OG』第6回→( http://www.supaa.com/kikou/otsuka01.html )

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 <再掲>■「同窓会費」は終身会費として1万円。『会計細則』決まる!■
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 1.同窓会費は終身会費として1万円とする。一括払いを原則とするが、本
 人からの申し出があった場合は事務局長が分割払いを認めることができる。

 2.事務局長名で金融機関に同窓会の口座を設ける。事務局長が通帳・印鑑
 を 管理する。会計担当がカードを管理して口座からの出し入れなどを行う。
 
 3.在校生からの同窓会費徴収は、事務局が徴収日を決めて実施する。徴収
 後、在校生の会費支払い者リストは、すみやかに会長ほか、会計担当および
 関連事務局員に伝達する。

 4.金融機関への振込み手数料は会員の負担とする。

 5.会計担当は、年1回開催する総会を利用したり、メールで呼びかけたり
 して、 卒業生からの会費徴収に勤める。

 6.毎年開催の同窓会総会における参加費の徴集など会計管理については、
 その年の幹事が担当し、事務局が補佐する。必要経費は事務局から事前に仮
 払いのかたちで支出できる。幹事は開催後しかるべく早く収支を事務局に報
 告し清算する。 

 7.会計年度を4月から翌年3月とする。           ┳ξ
 会計はすみやかに決算報告を作成                  ●●●
 して会計監査担当から監査を受ける。               ●●
                                                  ●
 8.本細則の改正は総会で行う。
            ┏━┳━┳━┳━┓
 ▼下記いずれかの口座に┃同┃窓┃会┃費┃のお振込みをお願いします!
            ┗━┻━┻━┻━┛
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  ◆郵便局の場合/通常郵便貯金 
  記号:11150 番号:20343411
  口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
  住所:390-8621 松本市旭3-1-1

  ◆銀行の場合/八十二銀行 信州大学前支店
  店番号:421 普通預金 口座番号:650215  
  口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
  住所:390-8621 松本市旭3-1-1
           
 ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄ ◎編集後記◎/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄

       ●・・福島原発事故は、まさに“ぬかるみ”にはまった状態。
  /\ ☆  今現在も放射能汚染物質を外部に放出し環境に悪影響を与えつ
 │○│    づけています。チェルノブイリの例にみられるように、福島の
 │ │     あの一帯には数百年、人は住めないとされます。早くから環境
/| |\   問題に着目し活動されてこられた勝木先生に、この問題をどう
 ̄ ̄ ̄ ̄    みるか、書いていただいた。研究者の姿勢も問われています。
 ||||     ●・・現今の就職難といわれる状況について、理学部就職委員
       会の物理科学科担当の小竹先生に、ご報告いただきました。こ
のような状況を踏まえて、同窓会やOBの就職支援はどうあるべきか、模索し
ていかかければなりません。一方、当世学生気質を知るべく4年生に集まって
いただき座談会を開きました。ことしも「就職支援セミナー」は開催予定です。
●・・昨日、ヨーロッパから「光速を超えた」ニュートリノの速度を計測した、
とのニュースが飛び込んできました。もし事実なら、アインシュタイン以来の
現代物理学の根底を揺るがす発見。議論の行方が注目されます。   (MT)
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○・・東日本大震災とこれに続く福島原発の大事故は半年が過ぎようとしてい
るが、一向に復旧・復興の兆しが見えて来ない。
○・・リーマンショック以降の経済の悪化は、増々増大しているにもかかわら
ず、何ら施策がされない。学生の就職難は更に悪化する。
○・・公務員制度改革は棚上げされ、役人は暴走している。増税は免れない。
○・・日本の中枢はメルトダウンし始めているが、悲しいかな農耕民族はただ
待つしかないか。(先の短い老人はすぐ愚痴る。)
○・・光明が一つある。光より速い質量のあるニュウトリノ(ν)が発見され
たとか。事実ならタイムトラベルが可能か? 人間の知的好奇心を探求する営
みは明快で面白い。                                               (MM)
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■ MAILMAGAZINE BULLETIN 『信大物理同窓会報』0036号(2011年秋号) ■
□ 2011年9月30日  編集・発行/信大物理同窓会事務局
《編集委員》松原正樹(文理10) 藤惇(2S) 渡辺規夫(4S) 太平博久(6S)
□編集長:藤 惇 □ 発行人:根建 恭典
■当会報のWEBでの閲覧サイト: (http://www.supaa.com/kaiho/0036.html)

             ┌──┐  (http://www.supaa.com/)
               │\/│ (info@supaa.com/) (makoto@insatell.co.jp)   
             └──┘     
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